イラク戦争後は米植民地に?

 ついにイラク侵攻21日目にバグダッドが陥落。と同時に、ブッシュ大統領と彼をバックアップしているネオコン(Neo-conservative)と呼ばれる共和党系新保守派がイラク攻撃以前から練ってきた米主導のイラク復興計画が表面化し、今後、欧・米・国連問題に発展しそうだ。
 ブッシュ政権がイラク解放、民主化の大上段のもとに進めてきた裏にはイラク原油の確保はいうまでもなく、イラクの米植民地化構想(湾岸戦争後、米英はクウェートの新植民地化に成功)が伏線上にあるのは誰の目にも明らかだろう。それはイラク侵攻前にガーナー元中将(湾岸戦争後、イラク北部のクルド人支援事業を担当)がクウェートに派遣され「イラク復興人道支援室」長として、米軍主導の暫定統治機構を軌道にのせるべく待機しているということからもうなずけよう。
 ル・モンド紙によると、米国際開発庁(USAID)は、イラク復興事業のためにすでに米大手数社を候補に挙げているという。それらはブッシュ大統領選挙戦に多大な運動資金をつぎこんだ企業でもあり、その中にはチェイニー副大統領が1995年~2000年に総裁を務めた石油会社ハリバートン系列の建設会社KBRも含まれているとか。同社は湾岸戦争時にイラク軍が炎上させたクウェートの数百の油井の消火作業にあたり、アフガンのタリバン逮捕者を拘束中のグアンタナモ拘留基地を建設した米御用達企業でもあるのである。
 戦争の後始末は米企業の手で、と戦後景気に期待するブッシュ政権は、道路や公共施設などインフラの再建から行政機関の復興まで、100% Made by Americaを目指しているよう。もちろんイラク反体制派のシーア派及びクルド人指導者らはこの構想に強く反発している。
 が、米主導の復興計画にいちばん腹を立てたのはブレア英首相だろう。イラク攻撃の片棒を担いだからには分け前は五分五分と皮算用し、それがだめなら復興事業の下請けは英企業にと期待しながらも、反戦デモを繰り広げた市民への手前、ブレア首相は、国連に復興事業の主体的役割を与えるべきと主張するシラク大統領に突如、接近し、国連に一任すべきと自ら力説。英首相の苦し紛れのこのUターンが、はたしてブッシュ政権のイラク支配の野望に水をさすことができるかどうか。
 米英軍への自爆攻撃も出、ベトナム戦争化しかねなかった情況の中で、隣国シリアやイラン、エジプト、ヨルダンなどで反米感情が燃え上がり、イラクのあとは自分の国?と案じるアラブ・イスラム諸国民の怖れが反米ナショナリズムを強めている。米帝国主義に対するイスラム聖戦への士気をますます先鋭化させはしまいか。
 イスラム教スンニ派(23%)が支持してきた独裁政権の被抑圧者、イラク南部のシーア派(54%)や、91年に自治区となった北部のクルド人(21%)らも、米英軍をいつまで”解放軍”とみなし続けるだろうか。
 3月31日のムバラク・エジプト大統領の演説「100人のビンラディンが生まれる」は、猪突猛進の一方的な米戦略に対する痛烈な警告といえよう。(君)

イラク戦争をどう思うか
78%  反対
17%  賛成
65%  戦争責任は米国に
34%  米英軍支持
53%  米の戦勝を望む
33%  イラク軍の戦勝を望む
74%  シラク大統領を支持
*3/28-29日、Le Monde/TF1の調査 (Le Monde:03-4-1)


 

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