真っ先に訪れたかったのは、印刷博物館。
オヴニーを発行している手前もあり、最初に印刷博物館Musée de l’imprimerie を訪れた。ガイドさんの話を聞きながら、実際に動いているさまざまな印刷機を見学できる。一日300枚しか印刷できなかったグーテンベルク当時の印刷機、手で紙を差し入れなければならなかった、危ない円筒形の印刷機(1814年製)、一行ごとの活字組みを可能にしたリノタイプ(1884年製)…。見学が終わると、19世紀初めの印刷機で印刷された大ポスターがプレゼントされる。Sainte-Anneの丘の上、ジュール・ヴェルヌ博物館の近くにMusée des Compagnons du Devoirという面白い博物館がある。”Compagnons”というのは、フランスに古くからある制度で、10年ほどかけてフランス中を回って技術に磨きをかけ、最後に親方として認められるための作品を完成させる職人さんたちのこと。この博物館には、そんなコンパニオンたちの手になる傑作の数々、木、ガラス、金属、塗料を使った作業に必要だった古い道具などが展示されている。現在はまれになった木靴や蹄鉄作りの職人さんたちの仕事をかいま見ることもできる。
昼ごはんは、ナントの古い街並みの中にあるLe
Brocoliへ。外見は大したことはないけれど、9.90€のお昼のコース(アントレ+メイン+ワイン250cc+デザート)が文句なしにおすすめだ。
ナント特産のマッシュ菜が大好きな人は〈マッシュ菜と海の幸のサラダ Salade de mache de la mer〉を注文するといい。 シェジーヌ川に沿ってあるプロセ公園Parc de Proceも、とても気持ちがいい。芝生の上で子どもたちが遊び回り、ジョギングしている人も多い。ここには、都市改造の時にさまたげになった数多くの木々が移植され、のびのびと枝を伸ばしている。夕ごはんのあとは、タランサック市場Marche Talensac脇のPannonica へ。このライブスポットは、この地方のジャズミュージシャンが演奏できる場として誕生したが、現在では、毎週フランスあるいは世界的に名高いミュージシャンたちが演奏を繰り広げる。ボクが行った晩は、残念ながらライブはなく、DJのミックスを聴きながら、カウンターで一杯。さまざまな世代が混じり合ったいい雰囲気! フロアでは数人が踊っていた…。(ダン)
カナダの一部に住んでいたフランス人をLes Acadiensといい、Rue des Acadiensには、〈イギリス人に追われた彼らが、一時ナントに避難し、ルイジアナに渡るのを待っている〉様子を描いた壁画がある。
1843年にできたPassage Pommerayeは、当時のナントの繁栄ぶりを偲ばせてくれる。
ジャック・ドゥミの映画『ローラ』の舞台になった。