「なに、あれ、ブロンドなんて、へんなのー」。私はロンドンで日本人の金髪の女の子とすれちがった後おかしくて笑ったが、日本から遊びに来た妹は「あんなのもう当たり前なんだよ、遅れているのはお姉ちゃんなの!」と言った。もう5年くらい前の話である。
そして今年のお正月、久しぶりに日本に里帰りしたら、人気のある日本のアイドルたちはみんな金髪か茶髪に加えてカラーコンタクトまでしている。そして思い出したのは昔見たアラン・ドロンのインタビューである。彼は今でも日本では一番人気のフランス俳優ということになっており、どうして日本でそんなに人気があるのかと質問したジャーナリストに、ドロンは「日本人は西洋人コンプレックスを持っていて、私は日本人のこうありたいという理想の姿をしているのだ」ともっともらしく答えていた。
別に髪を染めることやカラーコンタクトがいけないと言いたいのではない。そんなことは個人の自由である。10代や20代初めの日本人にはスタイルの良い人が多いし、整形手術のおかげによる人もいるらしいが、今年レコード大賞を獲った歌手のように、金髪がほとんど違和感のない顔だちの日本人もいないこともない。
でも、なんでそんなにしてまでガイジンに似たいのだろう? と、私はやっぱり思ってしまうのだ。ガイジンになりたいというわけではなく、キレイの基準がガイジンだから結果的に金髪+カラーコンタクトに行き着いてしまうということなのだろうか。
フランス人形そっくりの顔をした歌手を見て、白人に変身したマイケル・ジャクソンを思い出さずにはいられなかった。 (ヒロミ)