ニッポン好きな読書家の部屋。 Porte de Vincennes駅 徒歩0分。25m2。家賃約400EUR。

 さすがに書店に勤務するオードさんの部屋には本が多い。オーソドックスな本棚、机の上と横を占める本棚以外にも、窓際には膝下の低い位置にずらりと本が並んでいる。本の中には、日本の歴史に関する豪華本もみられ、なかなかの日本フリークとみた。
 日本語の勉強は市民講座で始めたばかりというけれど、部屋には立派な彼女の書道の第一号作品が飾ってあるし、日本茶も大好き。そして、料理好きな彼女のレパートリーには鮭の照焼きなどの和食もあるそうだ。
 旧建築の最上階の部屋にもかかわらず、狭苦しくなく明るいのが彼女の部屋の第一印象。2000年の6月からここに住んでいるそうだが、そのころはすでにアパート探しが困難ではなかったのかと聞いてみると、「部屋を見せてもらって4日後には鍵をもらいました」という意外な返事が返ってきた。
 まずは、情報誌『A Vendre A Louer』で探した物件にコンタクト。それが地上階で薄暗い部屋だったので躊躇していると、そこの家主から同じ建物の最上階にも物件があるがそれも見るかとの誘いを受けた。それがこの部屋で、窓の多い明るい部屋と家賃の安さに惹かれて週末を挟んで即、手続きを開始。こうして下見の4日後には我が家を手に入れたというわけだ。部屋探しには運と行動力がものをいうという見本といえそうだ。
 格安の家賃を利用して憧れの日本への旅費を貯めているオードさんだが、同じ階に空家がでたようなので、ひとまわり大きなそちらの部屋へ引っ越しできないかと考えているところだそう。
 部屋の真ん中に鎮座ましましている愛らしいクマのぬいぐるみについて聞くと、「名前は単純にヌヌルスnounours(クマのぬいぐるみという意味)としか呼んでいないけれど、20年来大事にしている」のだそう。なんでも彼女の実家では、ぬいぐるみの位置がちゃんと昼間はここ、夜はこう、というように決められていて、彼女もかたくなに守っていた。その影響で、今でもぬいぐるみの位置はきちんと決まっているのだそうだ。(里)
友人のアキコさんと一緒に。

愛着あるヌヌルス。

清潔そうなキッチンにも馬のポスターが。

フランス人好み和風アート小物のお店。
 日本文化にとっても興味を持っているオードさんから、彼女のアパートと同じ12 区にある、日本の伝統芸能や文化に関する小物を集めたブティック “Echo Arts” を教えてもらった。
  さっそくその店を訪れてみると、店内には、生け花用の花器や、太鼓や尺八などの和楽器、フランス全国へ卸しもしているというアンティークの着物や浴衣などがところ狭しと陳列されていた。
 親切に対応してくれたヴィヴィアンヌさんによると、客の大半は、フランス人をはじめとする非日本人だそうだ。和風のインテリアやSushiブームで親日家が続々と増えている昨今、プレゼントやフェットの機会もあるから、我々日本人にとっても本格的な和食器や和風小物が手に入るのは何かと便利。
 今までは建物の中庭側という目立たないところにあったのだが、今月から通りの反対側へ引っ越しし、大通りに面した店構えになったので、迷わず訪れることができそうだ。お世話になった人への贈り物に困った時など訪れてみたらいいかも。(里)


*Echo Arts:68 avenue Ledru Rollin 12e
01. 4344. 6401