学生向け住居斡旋協会で見つけた物件。 RER A線 Noisy-Champs駅 (Chatelet -Les Halles駅から25分)。18m2。家賃441EUR。

 たまに郊外電車に乗ると、広く空が見えたり、地平線や、季節ごとに色が変わる木々が見えてほっとする。パリ中心から33キロ、セーヌ・サンドニ県のノワジー・ル・グラン市をめざして東へ、東へ。
 バカロレアの後、マルヌ・ラ・ヴァレ大学で英文学を勉強するためにノワジー・ル・グランへ越してきたシルヴィーさん。多くの大学生のようにC.R.O.U.S(大学福祉地方センター)で住まいを見つけようと思ったが、申込み殺到でセンターが対処できなかったので、学生向け住居斡旋協会〈fac-habitat〉にコンタクトをとった。この協会は、県の援助を受けながら、イル・ド・フランスをはじめ学生人口の多い都市に2500戸の低家賃住宅を有し、学生や30歳未満の若者たちに提供している。今ではインターネット(http://www.fac-habitat.com)で、地域別に建物外観の写真、広さ、家賃などを見て入居(希望)申込みもできる。試しにサイトを開いて、セーヌ・サンドニの県番号93をクリックすると、シルヴィーさんの建物の写真が見えた。
 シルヴィーさんは入居した96年から7年間、アルバイトをしつつ家賃を自分で払ってきた。入居時は家具を買ったりするまとまったお金が必要となるが、その2万フランは両親が銀行から借り、返済してくれた。学生向けの住宅手当額は申告する所得額によって上下するが、シルヴィーさんは毎月の家賃441ユーロのうち、142ユーロをその手当で補っている。
 17歳のとき、家庭内に問題があって親元を出たいと思っていたところ、ドイツ語の先生が、彼女の性格がしっかりしていることを認め、学校の寄宿舎の舎監としてシルヴィーさんを推薦してくれた。寄宿舎で他の生徒たちと生活し、12歳くらいの幼い子どもたちが寄宿舎外に出ないように目を配るのが主な役割だったそうだ。朝、他の子どもたちを起こしてまわるのもお役目だったそうで、これには感心。しっかり者ですねぇ。「でもやっぱり、時には両親に甘やかしてもらいたかったな」とシルヴィーさん。(美)

建物全体で1台! 貴重な洗濯・乾燥機は1階にある。故障すると、徒歩10分のコインランドリーへ。

7年前からお付き合いしている隣人から電話。「掃除機貸して」「はい、どうぞ」

たそがれてゆく秋の空。


ハプキドーの道場。
 さっぱりショートヘア、てきぱきした物言いのシルヴィーさん・・・兄弟ふたりも武道をやり、お父さんは弓道のインストラクター、と聞いて納得。
 シルヴィーさんが週に2、3回通うハプキドー道場はRERのA線Bry-sur-Marne駅近く。ハプキドーはテコンドーと合気道をミックスし、蹴り技を多用した〈韓国合気道〉。格闘だけでなく、人と自然との調和、信頼、敬意、忍耐、謙遜、愛情など精神的な徳を追求する「道」でもある。
 国際的に有名なハプキドー家といえば、ブル ースリーの格闘映画『死亡的遊技』で韓国人の武道家を演じる池漢載(チー・ハンサイ)だが、シルヴィーさんが師と崇めるのは、レミ・モレ師匠。彼はフランス語の教員であると同時にフランス・ハプキドー連盟の会長で、フランス全土にある10クラブを率いるフランス・ハプキドーの第一人者だ。シルヴィーよ、金段めざし錬磨せよ!(美)
レミ・モレ師匠の鮮やかな技!