ストッキング・ファンのため息。

 女性の誘惑の武器とされるストッキング(bas:2本の足がバラバラのもの)は、タイツやパンティー・ストッキング(collant)とは一線を画しているようです。新参者にはどちらも同じに見えますが、マニアにとっては、おなかも保護する機能的なタイツと、官能性が段違いに高いストッキング(とガーターベルト)とは、別世界のもののようです。〈nylon〉〈bas〉の語をインターネットで検索すればエロチックなサイトが山ほどあり、どれだけ人々の想像力を、時には安易すぎるくらいにくすぐるかが窺われます。下着会社のサイトでは、口を半開きにした女性のストッキング姿が炸裂し、ついサイトに長居してしまいます。1920年代初めに絹製の肌色の薄いストッキングが流行し、1939年にはアメリカのデュポン社が絹に似た、丈夫で伸縮性のあるナイロン製ストッキングを商品化し大好評。しかし1965年のミニスカートの登場で機能的なパンティー・ストッキングが生まれ、ストッキング受難の時代となります。(美)
物不足の時代、ストッキングをはいているように見せるファンデーションが登場しました。
後ろの縫い合わせの1本線(シーム)を、自分で描いていた女性も多く、映画のワンシーンとしてもお馴染みです。
しかしこのマニア垂涎のシームも絶滅の危機にさらされました。
イヴ・リケさんは、1998年にシーム入りストッキング編み機がつぶされると聞きつけて、1台だけでも残すように工場に交渉。
その機械で編まれる22000足を毎年自分が売りさばくことを条件に!
以来、通信販売で世界中のファンを満足させています。
この種の編み機は、もはや世界に3台を残すのみ。
sodibas : www.sodibas.com
01.5860.2100 
1963年、スキャンダル社の広告。

これからの季節、寒いかもしれないが、オリジナルなはき方。
アクセサリーのデザイナーさん。

遊び心あるタイツの店 “Sagesse et Desires” のオーナー、ジジテ氏。
「本来、私はストッキング派。でもその奥深い世界を追求するには私の店は小さすぎる。ガーターベルトだってサイズも揃えないとダメだし資金も必要。だから今はタイツ専門さ」
12月には100種ほどを揃える予定。カエルやエッフェル塔柄などもあり。
67 rue Bichat 10e 01.4240.6258 
月休(土・日の午後も時々営業)昼休みあり
イタリアでは1540年に「刺繍、縞模様、透かしレース飾りのストッキングも禁じる」と奢侈禁止令が出たほど、紳士も貴婦人も娼婦もストッキングを愛用。それまで地味だった女物も、男物に劣らず豪華絢燗になります。
絹のストッキングをフランスで最初にはいたのはフランソワ1世(1494年-1547年)といわれ、それ以降の富裕層の靴下びいきは絵画に見るとおり。しかし大革命以降、男たちは長ズボンをはくようになり、靴下は次第に忘れられ…長靴下は女性の手中に。
それにしても、こんなメンズ・ファッションが復活したら、世界中にタイツ・ファンが増えるのではないでしょうか?

ジョルジョーネ《モーセの証し》15世紀末。