ギヨーム・ポティニョンさん、27歳。水門管理人。
サン・マルタン運河に情緒を添えるのが、水辺の恋人たち、そして水門や旋開橋。オヴニー編集室から目と鼻の距離の水門へ行ってみたら、こんな素敵な青年が仕事をしていました。ギヨームさんは5年前からパリ市の職員として水門管理をしています。
水門を開けて、水位を調節し船を通過させるほかに、各船の記録をとったり、運河の航行料金を収集したりもします。6日間仕事をして3日間休み、ときには朝8時から、夜勤なら午後3時から運河が閉められる夜11時半まで。冬は航行量も少なく運河を閉める時間も早いので、勤務時間もその分短くなるそうです。
−「ところで、運河を掃除すると死体が発見されたりすると聞きますが?」
−「いぃえ、出てくるといったらスーパーのキャディーやらガスコンロやら。ペットの亀が大きくなって飼い主に捨てられていたり」・・・第一次大戦の砲弾や、ピラニア、全長1.5メートルものナマズが2匹発見されたこともあるとか(!)。でも、マルヌ川からも水が引かれている運河の水質は良好、だからこそ7種類以上の魚たちの安住の地ともなっているのです。
この職に就くにはフランス語、数学などの試験を受け、当然「泳げる証明書」もパリ市に提出します。合格者は船の免許を取ることができるので、ギヨームさんは湖や川での操縦免許を取りましたが、勤務中の運河を航行する機会はなかなかありません。
秋深まるこれからの季節、ギヨームさんの一日の仕事は、運河岸の枯葉掃除から始まるのだそうです。(美)
サン・マルタン運河には水門が六つあり、一つの水門で、船は約4メートル上下する。
ひと昔前は娼婦街。
「ボクの親父がここでレストランを始めたのは1948年。当時、上は小さな38室のホテルになっていた。この界隈の狭い通りは、サン・ドニ通りも近いこと
もあって娼婦が多く、そんな彼女たちが客をとるホテルがたくさんあったんだ。二流のミュージックホールやらダンシングもあって、ふつうの人にはちょっと物
騒な感じがする繁華街だった。親父は音楽好きで、故ムルージもときどきここで歌ってくれた。今はボクがカウンターの後ろに控え、娘のセリーヌがサービ
ス。(10年前は、モーリスさんが、太鼓腹がぶつからないようにサービスし、彼のお父さんがカウンターの後ろだった)この界隈に若者向けのお店が増えるの
はとてもいい。こんな風にして街は生き続けていく…」
日曜も有意義に楽しむ。
アルタザールArtazartは、アート本の品揃え、興味深いエキスポ、きさくに応対してくれるスタッフが魅力で週末ともなると大変な賑わい。グラフィズ
ムやデザイン関連の本が豊富。子供向けの絵本や、パラパラマンガなどもある。工事現場みたいな店内の内装とユニホームもユニークだ。「現実にある本屋と
ウェブwww.artazart.comでの活動、そして、無料で提供しているエキスポの場が基本のコンセプト」とオーナーのカールさん。次回のエキスポは、かのHR ギーガーが未発表のオブジェを展示。(10/18-11/6)(里)82 quai de Valmy 10e 01.4040.2400
無休 11h-20h (土日14h-20h)