子羊の骨付き肉をミント風味で焼いてみよう。

Cotes d’agneau a la menthe

 パリ郊外のわが家には小さな庭があり、5月から9月にかけて友だちを招くと、外で食事することが多い。そんな時は、タブレやヨーグルト風味のキュウリのサラダなどをたっぷり作り、あとは子羊や豚の肉をバーベキュー、というのが評判がいい。デザートはメロンを主役にしたフルーツサラダということになる。
 骨付き背肉Côtes d’agneauを肉屋さんに切り分けてもらう。4人分として、大きさにもよるが8枚から12枚買ってくる。

 まずマリナード(漬け汁)を用意する。ボールにオリーブ油と白ワイン、それぞれ大さじ6杯とり、ここへ、さわやかな風味になるように、きざんだミントの葉をひとつかみ加えて混ぜ合わせる。このマリナードに骨付き肉を漬け込み、冷蔵庫に半日は置いておきたい。
 肉を、ミントの葉がつかないようにマリナードからとり出し、バーベキューなり、オーヴンの上火なりでグリル。フライパンでソテーしてもいい。強火で片面3、4分くらいで焼き上がるはずだ。ひっくり返す時、フォークでつっついたりすると、そこから肉汁が出てしまうので要注意。表面にはカリッときれいな焼き色がつき、中はちょっとピンクで半焼きという感じがいちばんうまい。焼き上がってから塩、コショウ。
 タマネギ中2個をみじんに切り、オリーブ油で炒め、透明になったら、マリナードを、ミントの葉ごと加える。さらにビネガーと砂糖をそれぞれ大さじ1杯加える。弱火で数分火を通し、最後に、塩、コショウで味を調えれば、初夏らしいソースができ上がる。ボクはタバスコをちょっと垂らすことにしている。
 この料理は、熱々より、「まだ温かい」という感じの方が、肉もやわらかくなってうまい。温かい付け合わせがほしいというのなら、タイムの香りをきかせたクルジェットとナスの炒めもの(下欄参照)はどうだろう。

 ワインは、冷やした南仏のロゼ。(真)


台所の本
●Desserts et sucreries / Cuisine minute

 ドイツで出版された “Mini basic” というシリーズの翻訳だ。本の作りから見てもわかるように、高校生くらいからの若者を対象にした料理本だ。『Desserts et sucreries』には、マンゴーのクリーム、リンゴのコンポート、チョコレートクッキーなどが並んでいる。イチジクのサバヤンのように、ベーシックとは思えないレシピもある。『Cuisine minute』は、他にもやりたいことがたくさんある彼らを考慮して、簡単にすぐできるレシピ集。簡単ピッツァ、甘酢風味の豚肉団子、舌ビラメの揚げ物…。夏休みでごろごろしている若者にプレゼントし、料理する楽しみに触れてもらいたい。(真)



Solare社発行 7.50€。


●タブレ taboulé
 レバノン名物の前菜。クスクス粒に、小さく切ったトマト、キュウリ、タマネギ、みじんに切ったミントの葉やパセリ、レモン汁などを混ぜ込んだサラダ。レタスの葉に巻き込んで食べたりもする。

●クルジェットとナスのソテー
 クルジェットもナスも、なるべく小さめで、ツヤのあるものを同量買ってくる。どちらもタテに四つ割りにし、真ん中の、ちょっとフニャッとした種の部分を切りとり、1センチくらいの厚さに斜に切る。

 なるべく底が広いフライパンに、たっぷりとオリーブ油をとり、みじんに切ったタマネギ半個とニンニク2片を加え、いい匂いが立ちのぼったら、クルジェットとナスを加える。新鮮で柔らかなタイムの葉もたっぷり加え、塩、コショウ。こんな風にシンプルな味付けの時は、塩は塩でも、風味豊かな塩の華fleur de sel(最近はスーパーでも簡単に手に入るようになった)を使いたいものだ。材料がフライパンの底いっぱいに広がるようにしながら炒め続け、全体に軽くきれいな焼き色がついてきたらでき上がりだ。タイムの香りが素晴らしい、肉や魚のグリルに最適な付け合わせになるだろう。

台所のフランス語

●côte(côtelette)

 côteは肋骨。精肉用語では、骨付き肉(胸部の骨一本とそれについた肉を含むように切り分けたもの)を指す。豚、子羊のような小さな動物の場合はcôteletteとも呼ばれる。子牛や子羊にはcôtes premièresとcotes secondesがあり、前者の方が脂身が少なめで上品な味。