フランス人監督によるドキュメンタリーが

 先日、フランス人監督によるドキュメンタリーが米国でオスカーを獲得した。15歳の少年が警察により故意に殺人犯に仕立て上げられ、終身刑を言い渡されたが、彼の弁護士の入念な調査により、最後は無実が言い渡される内容だった。
 フランスでも同じケースで、15年間刑務所で過ごすことになり、ついに無罪を勝ち取ったパトリック・ディルスさんの事件も記憶に新しい。この二つのケースにおいてショックなのは、想像を絶する警官の少年の扱い方である。暴力を伴う拷問という形で未成年を尋問し、ついに自分が殺したと白状させ殺人犯に仕立て上げ、事件に終止符を打つ彼らのやり方こそ法において罰せられるべきであろう。
 しかし、冒頭のアメリカのケースでは、少年に暴力を加え有罪と白状させた警官は、罪を問われることもなく降格という形だけで片付いている。少年の家族がその後、訴えて新たにこの問題が浮上したのである。でなければ、警官は刑務所にも行かず普通の生活を送ることになる。
 ディルスさんの場合においても同様、彼を非人道的に尋問した警官については、その後さっぱり話を聞かない。国の治安を守るはずの警官が刑務所に入るようでは、国が治安のあり方を否定することになり自分の否を認めることになるからだろうか。そうだとしたら、警官なら何をやってもよいということになる。
 大統領選以来、治安問題が話題のトップを占めており、国は警官や憲兵の数を増やす方針のようだ。しかし、警察が法において罰せられない世の中では、問題はいつまでたっても解決の光を見出せないだろう。(えいこ)