南仏風魚のスープを作ってみよう。 Soupe de poissons

 レストランのブイヤベースは高すぎる。もともとは売り物にならないような岩礁の雑魚を大鍋で煮て、南仏の香りをつけたスープだったのに、ロブスターやアンコウなどが入った贅沢な一品になってしまった。そこで原点に戻った魚のスープです。とはいえ、魚の種類が多いほど味わいは深くなるのだが、家庭では大変。幸い、極上スープの素になる師rille(ガザミ)という小ガニが出回っている。ゴソゴソ動き回っているものを、4人分として4匹、ほかに、小ダラmerlan 4尾、ホウボウgrondin 4尾、ムール貝500グラムを買ってくる。魚を開くのが苦手な人は、魚屋さんに三枚に下ろしてもらうが、頭や中骨も忘れずにもらってくること。
 頭や中骨の血を洗い流し、細かく切り分ける。ガザミは洗ってから残酷だが二つ割り。玉ネギ1個とニンニク3片はみじん切り、トマト3個はさいの目に切る。鍋にオリーブ油を多めにとり、玉ネギとニンニクを炒め、色がついてきたら、頭、中骨、ガザミ、トマトを加える。5、6分炒めたら、1.5リットルの水とブーケ・ガルニを加える。塩、コショウ。沸騰したら弱火にし、フタをして30分ほど煮る。
 この間に、ムール貝のヒゲをとってよく洗う。鍋に白ワイン1カップをとり、沸騰したらムール貝を加え、フタをし、2度ほど上下をかき混ぜ、数分たつと、貝が口を開けるだろう。冷めたら、身を取り出し、煮汁は漉しておく。
 頭・中骨、ガザミのスープを漉す。ここへムール貝の煮汁を足し、小ダラのおろし身4枚を細かく切り刻んで加える。ホウボウの肝や卵もあったら、もちろんお供させる。ほかに、フヌイユ半個とジャガイモ1個(コクを出すため)もさいの目に切って入れ、唐辛子粉少々、サフランふたつまみを加える。もう30分煮てから、全体をミキサーにかければ、コクのあるスープになるだろう。
 このスープに、ホウボウのおろし身(赤い皮は彩りがきれいなのでつけたままです)、残っている小ダラのおろし身を入れ、5分ほどして火が通ったら、ムール貝を加え、再沸騰したらできあがり。パセリを刻んで散らします。
 バゲットパンを薄く切って油で揚げたクルトン、おろしチーズ、アイオリソース*、レモンをテーブルに並べ、熱々のスープを鍋ごと出します。魚や小ガニの風味にニンニクやサフランの香りが混じり、マルセイユの港にいるような気分。魚はおろし身になっているので、子どもたちにも人気です。予算があれば、魚のおろし身を入れる時に、ラングスティーヌも加えれば豪華。ワインは、キリリと冷やした南仏産の白やロゼがいい。(真)

*ニンニク3片、二つに割って、消化に悪い真ん中の緑の芯をのぞき、すり鉢で丁寧にすりおろす。室温に置いておいた卵の黄身1個分を加え、塩、コショウ少々、あとは、マヨネーズを作る要領で、オリーブ油を少しずつ混ぜ入れていくだけだ。油の量は1カップほど。すり鉢がないのなら、まず別にマヨネーズを作り、最後にすりおろしたニンニクを混ぜ入れればいい。この量では魚のスープだけでは、だいぶあまってしまう。そんなときはラップをかけて冷蔵庫に入れておき、翌日「アイオリ」です。


台所の本
●Francoise Bernard / Mes secrets de cuisine

 夏休みだ。時間がある。料理を勉強してみよう、という人におすすめしたい

一冊。著者は、名シェフ、アラン・デュカスとの共著 “la bonne cuisine” で、素人ならではの立場から、シンプルでいながら本格的なフランス料理を披露してくれた。この一冊でも、フランス料理の基本料理からイタリアやポルトガルなどの料理まで、幅広いレシピがわかりやすく書かれている。そのうえ、各材料ごとに選び方や扱い方のコツ、各レシピごとに成功のコツsecretsが明かされている。10品も作ったら、フランス料理上手に近づけそうだ。(真)

LIvre de poche発行 38F


アイオリ aioli
 地中海の味、アイオリ・ソース。このソースに、さまざまな野菜や湯がいた魚、余り物の肉などをつけながら味わう料理も「アイオリ」と呼ばれている。

 ニンジン、キュウリ、セロリ、フヌイユなどの野菜は生のまま。アルティショの芯、サヤインゲン、カリフラワーなどは歯ごたえを残してゆであげる。ローストポークやポトフなどの余り肉もこのソースによく合う。あっさりと煮た子羊肉もニンニク風味のソースと相性がいい。魚は、マダラcabillaudのような、身の締まった白身の魚を塩ゆでする。バイ貝bulotを塩ゆでにしたものも合う。エビもおいしい。

 これらを彩りよく盛り合わせて、ゆで卵などで飾って食卓に出す。暑いときほどおいしい、前菜とメインをかねた完全食です。