『レキップ』の独占が続く。

「現存する資料からイギリスでは遅くとも19世紀前半、アメリカでは19世紀後半までの間に、スポーツは主に大衆紙で取り上げられており、いずれの国でも読者の関心が増大することによって掲載スペースが増大し、やがて部門として独立するという経緯を辿っている」と順天堂大学の神原直幸教授が書いていました。こうした経緯はフランスにおいても同様です。スポーツ情報拡大の流れは、スポーツ新聞やスポーツ雑誌を数多く登場させました。日本と違ってフランスにはスポーツ新聞が一つだけしかありません。『レキップL’Equipe』という新聞がスポーツ新聞の市場を独占しています。1980年代、『ル・スポールLe Sport』という競争紙が発行されましたが、この新聞は数カ月も存続しませんでした。
 『レキップ』は全能です。『レキップ』は独自のニュースを創出し、ツール・ド・フランスのようなスポーツ・イベントを積極的に主催し、それに対する詳細な記事を掲載し、他紙にはないスポーツに関連した情報を販売競争の武器として活用してきました。
 とはいえ『レキップ』の独占は否定的な面もあります。ツール・ド・フランスに関していえば、ドーピング問題を深く分析した記事があまりありません。『レキップ』はこのイベントの主催者ですから、マイナスになるような記事は避けるのでしょう。競争なしの情報は質がだんだん悪くなっていきます。(クロード)
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