パリでもジェンベ族がふえている。

ジェンベ教室訪問。 20区にあるジェンベ教室を訪ねてみたら、みんなウォーミングアップの真っ最中。「僕が呼びかけ(appel)をたたいたら、君たちは2番目のブレイクでこたえてください」とクリストフ先生。彼が、少しずつパターンを変えながら呼びかけると、そのヌケのいい音にこたえて、7人の生徒たちがいっせいにディディンカラ・ディディンカラ・キクゥン、ディディンカラ・ディディンカラ・キクゥン…。壁がゆれ動くようなバイブレーションが体に響いてくる。
生徒さんたちは初心者が多いので、まだまだ入るきっかけをはずしたり、思い通りの音が出なかったりするけれど、みんな気合いが入っている。シモンさんとヤンさんは、自己流で2年間くらいたたいてきたが行き詰まってしまったので初めて参加してみたという。その二人に、クリストフ先生が、柔らかな中音域のトニックtonique、腹に響く低音域のバスbasse、歯切れのいい高音域のクラケclaqu獅ニいう三つのたたき方を繰り返させる。「声に出してパターンを歌いながらたたくと覚えが早い。今度来るとき小さなレコーダーでも持ってきて録音するといい」ジェンベをはじめた動機をみんなに聞いてみた。「ディヴァン・デュ・モンドで見たダンスとジェンベの掛け合いに感動してしまったから」(ステファン)、「ラ・ヴィレット公園を散歩していて、ジェンベを演奏しているグループに出会い、気持ちいいだろうなと思ったから」(エリさん)、「僕はもともとドラムをやっていたんだけれど、夏のバカンスなんかには楽器を運べないし、ジェンベならと思ったから。キャンピングでは女の子の気も引けるしね」(ヤンヌさん)、「ブルキナファソにバカンスで行ったときに、結婚式に立ち会ったんだけれど、その時にジェンベの演奏を聴いて感動。その場で楽器を買ってしまった」(ジャン・フランソワさん)…。
それぞれの動機やレベルは違っていても、2時間近く一緒にたたいていると心と体がすっかり解放されて、みんながひとつになってしまったような素晴らしい気分になる。教室そのものがお祭りといってもいい楽しさだ。
*Association Diagana : 36 rue Pixerecourt 20e 01.4033.0398
授業料は1回120F/月400F。3時間の入門講座(150F)があり、楽器の選び方や基本的なたたき方などを学べる。

声に出して歌いながらたたくと覚えが早い。楽譜に移すことはできるが自発性がなくなって、リズムにしなやかさがなくなってしまう。
(クリストフ先生)

アフリカダンスの教室に通っていた時に、伴奏していたジェンベに魅せられてしまった。
(クレールさん)


見簡単そうで、値段も手ごろなジェンベはよく売れている。でも、買ったあとはどうするのか。個人の教室だけでなく、市の音楽院などでほかの楽器とも共演できるように教えることが大切だと思う。アフリカの伝統を尊重した楽譜なしの教え方も理解はできるけれど、行きすぎは観光的雰囲気を助長するだけで行き詰まりそう。採譜してどんどん教則本を作ってもいい。
(楽器店勤務のアレックスさん)


La tonique, le claqu, la basse ジェンベは生き方までかかわってくる楽器なんだ。
●ジェンベの三つのたたき方
上の写真は、ジェンベ演奏の基本ともいえるトニックというたたき方。指を合わせて、太鼓のどちらかというと端の方をたたく。これよりやや手を真ん中に進め、指を開いてムチのようにしなやかに勢いよくたたくと、クラケと呼ばれる切れ味鋭い高音になる。
下の写真はバース。手のひらを丸くして太鼓の真ん中をたたく。ボールのごとく、手が自然に跳ね返るようにすると、いい低音になる。

●ジェンベのサイト
www.djembe.com
ジェンベの歴史にはじまり、ミュージシャン紹介、コンサート情報、楽器の販売など、いちばん内容が充実しています。
www.yembe.ch
ジェンベの教則本、CD紹介。
●Fête de la musique(6月21日)
15h-0h、チュイルリー庭園のコンコルド広場寄りの泉水でジェンベ祭り。ジェンベのファンがふえるにちがいない。



●Daniel Genton / Djembefola
クリストフ先生も教則本ならこれ、とすすめてくれた一冊。楽譜を見ながら練習するようになっているが、CDが付いているので、それを聴きながらたたけば、読譜できなくてもなんとかなる。試してみたら、1時間で1ページ分ほど、どうやらたたけるようになった。僕もジェンベ奏者(djembefola)に、という夢がわいてくるのがうれしい。とはいえ、微妙なリズムやいい音がわかり、それが自在に出るようになるには、やはり、実際に先生の演奏を目のあたりにすることが大切。

*Ed. Musicales Francaises 145F
●Mohamed Bangoura/Percussions et chants Baga (Buda Musique)
6ページでインタビューに答えてもらったモハメッド・バングラの初CD。自然の中で録音したという意図がみごとに決まり、大地の脈動のごとき低音の連打の中から、素晴らしい切れ味のバングラのジェンベソロが浮かび上がる。女性のコーラスとの掛け合いも息が合っている。●Mamady Ke付a/Afo(Fonti Musicali)
日本でもおなじみのママディ・ケイタの名盤。ドゥヌンバ、サンバンなどの太鼓たちと彼のジェンベが、複雑でありながら広々と風通しのいいポリリズムを展開する。●Oumou Sangare/Wotoron (World Circuit)
マリ一の美声といってもいいウム・サンガレのバックにもジェンベが欠かせない。ゆっくりと柔らかなたたき方で、僕らに愛の悲しさを語りかけてくる。

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