モンマルトルに住み、”Deux Moulins” という小さなカフェでウエイトレスとして働いているアメリーさん(23歳)は、ジャン=ピエール・ジュネ監督の新作 “Le Fabuleux destin d’Amélie Poulain” の主人公。サン・マルタン運河で水切り遊びをすることが大好きな、一見どこにでもいそうな可愛い(!)女性…。ところが彼女が心の想うままに動き出すと、まわりで不思議なことが重なり、なぜかみんな孤独からぬけ出せて幸せになっていく。「こんな風にあっさりと現実を認める楽天主義は極右に通じる」などという的はずれの批判を受けたりもしたが、この現代のおとぎ噺の主人公を前にして、すでにフランスでは400万人以上が映画館の暗闇の中で心をドキドキさせている。
次期大統領選勝利の鍵が隠されているのでは、とシラク大統領も、監督やアメリーを演じるオドレー・トトゥーを招いて官邸で特別試写会。モンマルトル界隈では、「ここだ」「いやあそこだ」と、彼女が生き生きと歩き回っていた場所を探す人が絶えないという。(真) |