イチゴは6月が旬、タルトを作ってみよう。 Tarte aux fraises

 4月に紹介したレモンタルトは上手にできましたか。今回は安く豊富に出回っているイチゴを使ってtarte aux fraises。カスタードクリームの上に並んだ真っ赤なイチゴが美しい。
 折り込みパイ生地pâte feuilletéeは、レモンタルトの時と同様に “pur beurre” と明記された市販のものを使う。イチゴは予算が許せば香りのいいフランス産のガリゲット種などを使いたいところだが、カスタードクリームを敷いたりするので、半値くらいのスペイン産でも十分。

 まずパイ生地を空焼きする。オーブンの目盛りを5(160度)に合わせて点火。バターを塗って小麦粉をはたいておいた型に生地をのせ、手で縁をしっかりとおさえつけ、底をフォークで突っつく。パイ生地が包んであった硫酸紙を型の形に合わせて切って敷き、その上に生地が盛り上がらないように、乾燥白インゲン豆1キロ(タルトの空焼き専用に保存しておけば、何度でも使える)を均等に入れる。これをオーブンで10分ちょっと焼く。 さらにインゲン豆と硫酸紙をのぞいて、全体に焼き色がつくまで8~10分ほど焼く。レモンの時より長めなのは、あとでもう火を通さないからです。

 イチゴをやさしく流水で洗い、クッキングペーパーの上に並べて水気を切る。ヘタをとり、小粒なフランス産ならそのままでいいが、スペイン産は大粒なので二つに切り分ける。直径28センチの型だと、イチゴは600~700グラム必要です。

 冷めたパイ皮に、下欄を参照して作ったカスタードクリームを一面に敷き、イチゴをきれいに並べていけばできあがり。小粒なイチゴは、ヘタがあったところを下にし立てるように並べていく。

 パイ皮のカリッとした歯ざわり、今が旬のイチゴのうまさ、バニラの香りがきいたカスタードクリームのまろやかさ、と三拍子揃ったタルトです。(真)



●カスタードクリームcrême pâtissière
 バニラ1本を縦割りにして香りの素になる種を掻き出しておく。鍋に牛乳250ccを入れ、バニラの種とサヤを加え、弱火にかけ、沸騰したら火から下ろしサヤは取り出す。卵の黄身3個分と砂糖100グラムをボールにとり、白っぽくなめらかになるまで混ぜ合わせたら、小麦粉40グラムを加えて練り合わせる。ここへ熱い牛乳を少しずつ加え入れる。これをふたたび鍋に戻して中弱火にかける。均等に熱が伝わるように絶えず木のヘラでかき混ぜていき、グツグツッと沸騰したら、できあがり。冷ましてから、果物のタルトだけでなく、シュークリーム、エクレア、ミルフイユなどに使う。用途に応じて粉アーモンド、チョコレート、キルシュ*酒などで味に変化をつけます。今回のイチゴタルトなどには、泡立てクリームcrême chantillyを混ぜ込むと、口当たりが軽くなるし、味もずっとまろやかになる。

*キルシュkirsch:フランス東部、特にアルザス地方を中心に作られている黒サクランボの蒸留酒。そのまま食後酒として飲んだりもするが、製菓に使われる機会も多い。

●泡立てクリームcrême chantilly 
 冷蔵庫に入れて冷たくしておいた液状生クリームcrême fleuretteをボールにとり(上記の分量のカスタードに混ぜ込むのなら100cc)、これを氷を入れた別の大きめのボールの上にのせ、空気を入れ込むように泡立て器で混ぜ合わせていくだけだ。fouetter de la crêmeというように、ムチ打つようにしなやかな手の動きが大切だ。混ぜすぎるとバターになってしまうので注意しましょう。乳脂肪分の高いcrême épaisseしかない時は、半量の牛乳とミックスしてから泡立てること。逆にダイエット用に乳脂肪分を減らした生クリームではクレーム・シャンティイができません。乳脂肪分30~40%のものを使いたい。砂糖は好みの量を最後に加えます。