ニコルさんの家に招待された。ほかのお客さんもふくめて5人でおしゃべりがはじまったが、知らない者どうしが多かったせいか一瞬話が途だえて、ちょっと気まずい沈黙。とっさにニコルさんは “Un ange passe.” と、その場をうまく切り抜けてくれ、にぎやかなおしゃべりが再開した。天使が通ると、その天使に見とれて沈黙が支配するのかどうか、確かなことはわからないが、美しい表現だ。 先日テレビで「突然炎のごとく」を放映していたが、第一次世界大戦が終わって、カトリーヌ、ジュール、ジムが数年ぶりに再会するシーンで、やはり話がスムーズに進まず一瞬の気まずい沈黙。すると、カトリーヌことジャンヌ・モローが、歌うように “Un ange passe.” (真) |