●助産婦のスト終了 4月27日、クシュネール厚生相と、5週間以上ストを続けていた助産婦組合との間で交渉がおこなわれた。助産婦は医師的性格が強いことから一般医や歯科医と同じ扱いの国家試験で採用することや、昇給のスピードをはやめることなどで合意に達し、組合は即座にスト終了宣言。 ●同性愛者もナチス強制収容所の犠牲者 4月26日、ジョスパン首相は「ナチス占領下に、スペイン亡命者、ジプシー、同性愛者も迫害されていたという事実を国として認めることが重要」と発言し、この事実を調査する歴史委員会を発足させることを約束した。1945年までに数万人の同性愛者がフランスから強制収容所に移送されたと推定されている。強制収容所に送られたユダヤ人や元レジスタンス活動家、そして彼らの遺族団体などは、この事実を否定し、4月の最終日曜日に行われるナチス強制収容所被害者追悼会への同性愛者協会の参加を拒んできたが、今年はリール市などで同性愛犠牲者を悼む花輪が初めて捧げられた。 ●水質汚濁の責任は国にあり ブルターニュ地方には大規模な養豚場や養鶏場が多く、動物の排泄物(硝酸塩をふくむ)による水質汚濁が進んでいる。1995年、コット・ダルモール県ガンガン市および近郊の176世帯が、一年に200日間は水道の水が飲用不可であるとして、水道会社Le Lyonnaisを訴え、1世帯あたり1200Fの賠償金を得た。Le Lyonnais社は、水質低下は無制限に養鶏場建設の許可を与えている国の責任だとして、レンヌ行政裁判所に訴えた。5月2日、同裁判所はこの訴えを認め、国がLe Lyonnais社に75万F払うようにという判決を下した。 ●アルジェリアで仏軍は拷問・虐殺 5月初めに出版された”Services speciaux, Algerie 1955-1957″ で、ポール・オサレス元将軍(83)は、フランス軍がアルジェリア民族解放戦線(FLN)のメンバーを拷問したり虐殺し、彼自身もその指揮をとった事実を誇らかに認めた。また、当時法務相だった故フランソワ・ミッテラン大統領の支持を受けていたとも語った。ミッテラン氏の政策顧問だったジャック・アタリ氏も、「1956年に、ミッテラン氏がアルジェリアでの拷問を正当化する条件をつくりだした」と証言。国際人権連盟(FIDH)などは、人道に反する罪でオサレス元将軍を訴えると発表。最近の世論調査(Liberation-BVA)では、フランス人の56%が、フランスがアルジェリアに謝罪すべきとしている。 |
●ソンム川氾濫による家屋浸水長引く 3月末にソンム川が氾濫、アブヴィルやマルイユ・コベールなどの市町村ではまだ数多くの家屋が浸水のままだが、ポンプによる排水作業がはかどり、5月初めになって水位が大幅に下がってきた。住民に笑顔が戻ってきたものの、完全に元に戻るのは6月末くらいと見られている。この長すぎる浸水で、一部の家屋の土台が軟弱になり、乾燥するにつれて壁にヒビが入ったり、場合によっては倒壊のおそれもあるという。被害額は約5億F。 ●サッカー仏リーグ杯はリヨン 5月7日、サッカー仏リーグ杯の決勝が、モナコのAS MonacoとリヨンのOlympique Lyonnaisの間で戦われたが、リヨンからスタッド・ド・フランスまでやってきた3万人の熱心な応援のかいあって、延長戦の末、2-1でOLが初優勝。 ●ミッテラン大統領20周年 故フランソワ・ミッテラン氏が大統領に選ばれた1981年5月10日の夜、バスティーユ広場は赤いバラを持った群衆で埋まった。 ちょうど20周年にあたる5月10日夜も、約1万5000人がバスティーユ広場に集まり、大画面に映し出されるミッテラン氏のドキュメンタリー映画を見たりしながら、この歴史的な日を偲んだ。 |