先号の読者のお手紙に対し私の意見を述べさせていただきます。この方のお話では、ガイドに勧められたピガールのバーでジュース一杯八万円という不当な金額を請求され、助けてくれなかったフランス警察に怒っておられましたが、ピガールの客引きバーへ行ったご自分の行動は反省されているのでしょうか? ガイドに勧められた場所だったので油断されたのかもしれませんが。しかし、パリが危険な街だということをお忘れではないでしょうか? この方に限らず日本人旅行者の大半の方が注意が足りないことを問題意識を持って考えるべきだと思います。
パリはきれいなレストランやブランド店が並び一見裕福な街に見えますが、実際には失業者もホームレスも多く、また多人種から成り立つ街ゆえの問題も抱えています。食べるものもないほどの貧しい国から全財産をはたいて来た人たちや、戦争の絶えない国から逃げてきた人たちの目に、私たち日本人がいったいどう映るか考えたことがありますか? いい服を着てブランドものの紙袋を提げてのほほんと歩いていれば、狙われても仕方のないこと。彼らには、自分たちの裕福さをひけらかす嫌みにしか見えないかもしれません。
私たちは、安全で裕福な国、しかも島国に暮らすせいか注意が足りないような気がします。外国を旅行する時は、普段の十倍気をつけて危険な場所には一切近づかない、夜は遠くへ出かけない、お金もたくさん持って行かないなど、できるだけ自分の身を守る努力をすべきだと思います。フランスの警察や政府に「しっかりしろ」とおっしゃる前に自分がしっかりしていただきたいと思います。(沙耶)