(南)が推薦する3月のシャンソン。

★★★ Henri Salvador
 昨年の後半、新作アルバム “Chambre avec vue” が大ヒットし、最優秀歌手賞と最優秀アルバム賞を受賞したアンリ・サルヴァドールの久々のパリ公演。ボサノバのファンにもぜひお勧めしたい。
 仏海外県ギアナ出身。50年代に、レイ・ヴァンチュラ楽団出身の名ギタリストとして知られた彼は、のちにボサノバの王様J・C・ジョビンに多大な影響を与えたといわれる。
 今回の公演では、ギャグをふんだんに取り入れたかつてのエンターテイナーぶりを、今年83歳の彼に期待するのは無理だが、あの巧みな話術と持ち前の笑いのセンスは健在。気鋭の若手ミュージシャンをバックに、彼が今まで一番歌いたかった本来のスタイルというクレオール語を織りまぜながらボサノバを中心にジャズなどを歌い、半世紀以上におよぶ歌手生活を華やかに飾ることだろう。
24~28日/20h30 286F~391F
*Olympia:28 bd des Capucines 9e
01.4742.2549
★★★ Arthur H
 アルチュール・アッシュ4枚目の最新アルバム “Pour Madame X” は、以前よりシンプルな感じがしないわけでもないが、新作ごとに気のおけないシャンソンとサウンドを紹介してきたラップ・ダダイストの期待通りの出来だった。
 ルンバやラップのリズムに乗って、秘められた内容のテキストを独特の嗄れ声とゲンズブールのような囁きで歌う白昼夢。今回の公演「Devoile Mme X」では、ユダヤ音楽の響きの”Mystic Rumba” やマオリ族の精悍な戦闘ダンスを感じさせる”Haka dada”などの歌が好まれそう。

6日、7日、9日/20h 170F

*La Cigale:120 bd de Rochechouart 18e 01.4925.8999


●マグレブとジプシーの音楽が融合
 8世紀から15世紀末にかけて、アラブ人、ベルベル人の王朝がコルドバを首都にしてスペイン、北アフリカを支配したが、モロッコ人は彼らの伝統音楽を今でもアンダルシア音楽musique andalouseと呼び、当時のイスラムの栄光を偲ぶ。そんなアラブ系アンダルシア音楽を代表する〈アンサンブル・ニシム・アンダルス〉とグラナダのフラメンコグループが共演。二つの異なる音楽のパッチワークではなく長い歴史を背景にしたフュージョンが聴けそうだ。モハメッド・アケルとアナ・カリのボーカル合戦にも注目。
27日、28日/20h30
100F/学割80F (Fnacなどで前売り中)
*Auditorium de l’Institut Monde Arabe:
1 rue des Foss市 St-Bernard 5e

●ファルスタッフ
ヴェルディ没後100年を記念して、彼が79歳で作曲した最後のオペラ『ファルスタッフ』。演技力も大切なファルスタッフ役には、バリトン歌手のジャン=フィリップ・ラフォン。音楽監督はジョン=エリオット・ガーディナー。
4月25日、27日、5月2日/19h30 
4月29日/16h 70F~670F
*Theatre du Chatelet : 2 rue Edouard Colonne 1er 01.4028.2840

●日曜の朝の室内楽

ジャン=クロード・ペヌティエのピアノ、レジス・パスキエのヴァイオリン、ロラン・ピドゥーのチェロで、モーツァルトのピアノ三重奏曲第6番、ベートーヴェンのピアノ三重奏『大公』、ラフマニノフの『悲しみの三重奏曲』。

22日/11h 120F (当日売りのみで10hから発売)
*Theatre du Chatelet : 01.4028.2840

●Cantus Colln

コンラッド・ユングヘネルが指揮するカンテュス・ケルンが昨年出したバッハのカンタータ集は、合唱パートもソリストが歌うことによって、ポリフォニーの各ラインがより明確になって透明感を増し、歌の表情もより劇的になった。彼らの初のパリ公演は、17世紀の宗教音楽というプログラムで、CDにも入っていたバッハのカンタータ”Crist lag in Todesbanden” BWV4も歌う。

28日/17h 95F
*Theatre de la Ville :
2 place du Chatelet 4e 01.4274.2277

●異系の譜

日本人作曲家、和泉耕二の「異系の譜」は、尺八という伝統楽器とピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロからなる弦楽四重奏を組み合わせた作品だ。今回はダニエル・リフェールマンというフランス人の尺八奏者も演奏し、国際交流を推進するユネスコらしいコンサートだ。12日/18h30 入場無料

*UNESCO : 125 av. Suffren 7e

●Banlieues Bleues

パリ郊外のジャズ祭 “Banlieues Bleues”もいよいよ大詰め。最終日には、ブラジルの歌手・ギタリスト、ジョアン・ボスコとキューバのジャズ・ピアニスト、ゴンザロ・ルバルカバが共演する。

5日/20h30 120F (予約:01.4922.1010)
*MC93 : 1 bd Lenine Bobigny

M。Bobigny-Pablo-Picasso