●アンリコ監督死す 2月23日、映画監督のロベール・アンリコさんが肺ガンで亡くなった。69歳。南北戦争を背景にした『ふくろうの河』でカンヌ映画祭短編グランプリを受賞して注目される。代表作は、ジョアンナ・シムカスが忘れられない『冒険者たち』(’66) やフィリップ・ノワレやロミー・シュナイダーが好演した『追想』(’75)など。 ●セザール賞授賞式 2月24日、セザール賞の第26回授賞式が行われた。作品賞には、昨年3月に封切られて400万人近い観客を動員したアニエス・ジャウイ監督のコメディー『Le Gout des autres』、監督賞には『Harry, un ami qui vous veut du bien 』(日本でも近日公開) のドミニック・モル。主演男優賞には同作出演のセルジ・ロペーズ。主演女優賞には、これまでは脇役で光っていた、『Stand-By』のドミニック・ブラン。 ●失業者が減っている 2月28日、「大いに喜ばしいことだ。 1月も失業者が4万4000人減って、97年度に比べると100万人減」とジョスパン首相。この1年間では43万2000人減で、失業者は211万9700人、失業率は9%。 ●自閉症の息子殺害事件の判決 長年の献身的な看護の末、疲れ果てて自閉症の息子(当時10歳) を溺死させたアンヌ・L被告に、3月2日、サン・ブリユ重罪院は禁固3年執行猶予つきの判決。検察側も、自閉症の子供を受け入れる施設が極度に不足していることは「言語道断であり憤りを感じる」とし、執行猶予つきを求めていた。裁判長も判決後、「裁判所はあなたの罪を免じることはできない。しかし、あなたがあなた自身をまず許してあげることです。そうすることによって、あなたが再生できると信じている」と付け加えた。 ●高齢者向け訪問看護介護サービス充実 |
●アフタ熱*猛威をふるう 英国で発生しアイルランドにも飛び火した、家畜の悪性伝染病アフタ熱の予防対策として、フランス政府は2月1 日以降に英国から輸入された2万頭の羊を処理することを決定していたが、3月5日、2週間にわたって羊、牛、豚などの輸出を禁止、精肉処理工場以外への家畜の輸送を禁止、伝染病が発生した可能性のある農場の10km圏内での車や人の出入りを禁止し消毒を徹底する、などその対策を強化した。翌日、欧州委員会は、英国からEU圏内への精肉輸入禁止措置を3月27日まで延期することを決定。3月7日、グラヴァニー農業相は「フランスでこの伝染病が発生しないとしたら奇跡」という悲観的な発言。フランス競馬協会がレースを中止したり、パリの動物園も当分の間閉園。供給難で豚肉や子羊肉が値上がりしている。 *アフタ熱 la fi竣re aphteuseは口蹄疫 (こうていえき) ともいい、牛、羊など蹄の先が割れている動物 (偶蹄類) がかかるウイルス性の伝染病で、空気感染し伝染性が強い。口腔などの粘膜に小潰瘍ができるなどの症状が出る。人や馬には症状は出ないがウイルスを媒介する。 |