アルザス地方のチーズはマンステールに尽きる。古くから僧院 (モナステール)
で作られていたのでこの名前になったという。皮を塩水で洗いながら2、3カ月かけて熟成される牛乳チーズで、その皮がオレンジ色がかってくると、納屋を思
わせる独特の匂いを放ち、クリーム色の身がとろけるようだ。この匂いとバランスをとるためにクミンを添えることが多い。クミン入りのものまであるがこれは
ちょっと邪道。皮つきのままゆでたジャガイモといっしょに食べることをおすすめしたい。このマンステールがヴォージュ山地の西側ロレーヌ地方に入るとジェ
ロメと呼ばれるようになる。