スペクタクルを超えて。 Au-delà du Spectacle

 ”La Societe du Spectacle”(1967) の中で著者G・Debordは「この世は巨大な舞台のようだ」という。このエキスポジション「スペクタクルを超えて/Au-dela du Spectacle」は、今年2月に “Let’s entertain” のタイトルでミネアポリスで行われた後にパリに巡回してきたものだ。ここに紹介されている30~50歳代を中心とするおよそ50人のコンテンポラリー・アーティストたちは皆、コマーシャル、バラエティー、ドラマなど、テレビから毎日流れる映像にどっぷり浸かった西洋文化の申し子ばかり。足を踏み入れてまず思い起こすのは、発達した消費・情報社会の真っただ中で表現を試みた60~70年代のポップアートだ。そんなわけで、まず最初にお出ましになるのは彼らの神様、A・ウォーホルである。

 F・ゴンザレス=トレスによる金すだれのカーテンの向こうには、若手作家たちのナンセンスな、あるいは「ナンセンス」とさえもいえない作品が並び、何とも空しい気分になる。この手の作品が持つ悲しさは、パロディーとして作品を成り立たせてくれているオリジナル作品を取り払ったり、そのオリジナル作品自体を観る側が知らなかったりする場合、芸術的価値が全くなくなってしまうことにある。

 だが、そのあとに控えるC・シャーマン、G・オロツコ、C・レイ、D・ハンソンら何人かの作家が、このエキスポにおけるアートという意味をどうにか救ってくれる。ヒットラーとディズニーのイメージをコラージュしたP・マッカーシーの作品など、彼らはこの世に散らばる芝居がかった馬鹿馬鹿しいエレメントで潔く遊び切り、また、異質な要素をぶつけ合わせることで一般的価値観を混乱させ、観客の不安を掻き立てるのだ。(蘭)


ポンピドゥ・センター 1/8日迄 (火休)

Regard sur les Indiens d’Amazonie
  前回は北アメリカのインディアンの写真を紹介したが、今回は人類博物館で開催中の、ブラジルはアマゾンの森に住むインディアンXingu族の写真展だ。元空軍パイロットの写真家アンリ・バロによって1950年代に撮影された約50点の写真が、博物館所蔵の日用品 (羽の装飾品、櫛、籠など) と共に展示されている。
 アメリカ大陸が「発見」されて500年経つが、Xingu族の存在は1884年まで全く知られていなかったのだという。バロの写真のなかに登場する日常生活や葬式などの儀式を営む人々は、この時初めて白人と出会い、初めてフィルムに収められた。バロが同行したこのアマゾン遠征はブラジル人Villas Boas兄弟が企画したものだが、この遠征後、Villas Boas兄弟はインディアン固有の文化を守る必要性を感じ、ブラジル政府を説き伏せてアマゾン一帯を保存地区に指定させた。これは国家として初めての先住民族を保護する試みだった。今日も4000人のXingu族が彼らの生活を守り続けているという。(ヤン)


*Musee de l’Homme : place du Trocadéro 16e 1/15日迄 (火休)

J. Rouchによるアフリカの写真展も

同時開催(12/31日迄)。

●Bill VIOLA
ビデオ・インスタレーションで70年代から活躍するヴィオラの1995年の作品<the Greeting>。イエスを受胎したマリアのエリザベツ訪問を描く、16世紀イタリアの画家ポントルモの作品と同じ情景から始まる13分。1/7迄
Eglise Saint-Eustache: 2 rue du Jour 1er

●Ilse BING
Vu誌などで活躍したBingが、パリで過ごした1930~38年にライカで捉えた写真作品。12/21迄
Goethe Institut: 17 av. d’I始a 16e (日休)
●Jan DIBBETS
「窓」をモチーフにした作品。12/22迄 
Galerie Lelong : 13 rue de Téhéran 8e (エキスポ最終日の12月22日には、ブロワのサン・ルイ大聖堂のためにDibbetsがデザインしたステンドグラスを初公開)
●Philippe VERMES
パリの工事現場で働く人々のポートレート写真。12/23迄
Galerie Lavignes: 27 rue de Charonne 11e
●<Angles suedois>

スウェーデンの若手デザイナーの作品を紹介。1/4迄(14h-18h, 月休)

Centre culturel suédois:11 rue Payenne 3e
●<L’arche ethiopienne>

14~18世紀、エチオピアに広まったキリスト教美術の歴史を伝えるイコンや写本、金銀細工品等。1/7迄

Pavillon des Arts: Les Halles (月休)

●<Chine: la Gloire des Empereurs>

1973年以降に古墳などの遺跡から発掘された、中国の文化遺産200点。紀元前2000-1000年頃から11世紀に渡ってつくられた彫像、宝飾品、食器など。1/28迄

プチパレ: av.Winston Churchill 8e (月休)

●Thomas DEMAND / Bernard PIFFARETTI

建築家出身DEMANDの写真作品。画布を2分することから始まるPIFFARETTIの抽象絵画。1/28迄

Fondation Cartier: 261 bd Raspail 14e
●Paris raconte par Edouard BOUBAT

ブーバが撮るパリの写真はちょっとセンチメンタル。1/29迄

FNAC Italie 2: Centre commercial, Place

d’Italie 13e (日休)

●<L’Ecole de Paris 1901-1929>

シャガール、ブランクーシ、モジリアニ、フジタ、ピカソ、マン・レイ…、今世紀初頭にモンマルトルやモンパルナスなどに住み着いた外国人の画家や彫刻家、写真家たちは、当時の美術界を刷新した。パリ派と呼ばれるアーティストたちの作品を集める。3/11迄
パリ近代美術館: 11 av.du President-Wilson 16e (月休)

●<Les Primitifs Italiens>

ジョット、マンテーニャからボッティチェリまで、ほとんど公開されることのなかった盛期ルネサンス以前のイタリア絵画50点。3/25迄
Musee Jacquemart-Andre:

158 bd Haussmann 8e