●グリコルエチレンによる労働災害? CGT (労働総同盟) の調査で、パリ郊外、コルベイユ市のIBM半導体工場で働いていた従業員のうち、8 人が睾丸がんにかかっていることがわかった。この工場では1994年まで発ガン性の強い有機溶剤グリコルエチレンを使っており、CGT はその関連性をさらに詳しく調査することを要望。 ●ギャングのヒーロー射殺される 9月27日、シャンゼリゼ大通り近くの馬券売場地下で、フランシス・ヴァンヴェルベルグさん (54) が、覆面をした二人の男に射殺された。内ポケットに20万フラン相当の札束を残したまま…。「ベルギー人」というあだ名を持つ彼は、W・フリードキンの傑作「フレンチ・コネクション」のモデルになった麻薬密輸入事件の首謀者の一人として、1977年に懲役14年の刑に服した。 ●コンチネンタル航空訴えられる 7月25日、エール・フランス社のコンコルド機が墜落し死者113名を出した事故を調査中のBEA (事故調査事務局) は、事故の発端となった車輪パンクの原因は、直前に離陸した米国コンチネンタル航空のDC10型機が滑走中に失った金属片である可能性が強いと発表。9月27日、エール・フランス社はコンチネンタル航空をポントワーズ商事裁判所に訴えたことを明らかにした。なお、この事故による損害賠償総額は7億フランに達するものとみられている。 ●シドニー五輪閉幕 10月1日、シドニー五輪が閉幕したが、フランスは、金13、銀14、銅11、合計38個のメダルを獲得して、米、ロ、中、豪、独に続いて6 位という好成績。後半になってフランス人の注目を浴びたのは、ボクシング・ライトフライ級の決勝で圧倒的な強さで判定勝ちし、フランスにボクシングでは64年ぶりの金メダルをもたらしたブラヒム・アスルームさん (21) と、予想外の決勝進出を果たし米国ドリームチームに75-85で惜敗したバスケット・チーム。陸上競技はメダルゼロで、期待の女子400mリレーも4位どまりだった。 ●凱旋門賞はシンダール クラシック競馬の最高峰ともいえる第79回凱旋門賞は、10月1日ロンシャン競馬場で行われたが、今年絶好調のジョニー・マータが騎乗するシンダールが、昨年のチャンピオン、モンジューなどをおさえて鮮やかな勝利を飾った。 |
●フランス国鉄ストライキ 9月28日、SNCF (フランス国有鉄道) のCGT 、CFDTなど各組合の足並みが揃い20年ぶりの賃上げ統一スト。スト参加率は総職員の40% (機関士は60%) に達し、ローカル線はほとんどマヒ状態、主要幹線も約70%が運休。10月5日の労使交渉で、SNCF のガロワ社長は、1000Fの一時手当と11月から0.4%の賃上げを約束した。なお、フランス国鉄は今年の1月以来、貨物部門で9%、旅客部門で5.2% の伸びを見せている。 ●教会の責任は? 10月6日、カルヴァドス県カーン市にある重罪院は、未成年者強姦や未成年者への性的行為などで1998年に逮捕されて訴えられていた被告のビセー司祭に対し、検察側が求刑していた12年を上回る懲役18年の判決を下した。地位的に司祭の上に立つバイユー市のピエール・ピカ司教は、懺悔などを通じて、ビセー被告が司祭館などで信者の子息に対する性的行為にふけっていることを知っていたが、職業上の秘密を守るためという理由で、警察当局に通知していなかった。裁判中、後悔の色を見せなかった被告は、判決前に「この裁判を通して私が犯罪者であることを自覚した。家族や子供たちに謝罪したい」と述べたものの、判決後、直ちに破棄院に上訴。 |