洋梨がとろけるようなカトル・カール。 Quatre – quarts aux poires

 僕は、果肉に繊細な香りと甘さが詰まったようなフランス産のナシの大ファン。9月から春先まで、ウイリアムス、ブーレ・アルディ、コンフェランス、コミスといったナシのそれぞれ特有のうまさを楽しんでいる。バニラやシナモンの香りをきかせて砂糖密や赤ワインで煮てもおいしいし、タルトやクラフティとして登場する回数も多い。子供たちに評判がいいのは、ナシ入りのカトル・カールです。
 quatre – quarts(1/4がよっつ)という名前の通り、卵、砂糖、バター、小麦粉が同量ずつ入ったこのケーキ、どこの家庭にも常備されている材料だけだし、作り方も簡単だし、ぜひマスターしたいものだ。
 僕はケークcakeと呼ばれる型で焼くが、卵3個、砂糖、バター、小麦粉それぞれ180グラム、そしてナシは今が旬のコミスがいい。熟しすぎていないものを2個用意する。
 バターは小さな塊に切り分けて常温に置いて柔らかくしておく。天火の目盛りを5(約180度)にして点火。卵は白身と黄身を別々のボールにとる。黄身の方に砂糖を加え、量が倍ほどに増えて白っぽくなるまで泡立て器でかき混ぜていく。ここへ柔らかくなったバター、ふるいにかけた小麦粉を少量ずつ、そしてラム酒やコニャック大サジ3杯を混ぜ入れる。最後に固く泡立てた卵の白身を優しく混ぜ合わせる。
 バターを塗った型の底に、皮をむいて4つ割りにし、芯をとって7ミリほどの厚さに輪切りにしたナシを並べ、砂糖を振りかける。その上から生地を静かに流し込み、熱くなっている天火へ。45分ほどで焼き上がる。串などを刺してみて乾いて出てきたらok。熱いうちに型からはずし、お菓子用のグリルにのせて冷ます。
 さわやかな甘さでしっとりとしたケーキと洋ナシの上品なうまさがかみ合って思わず「オカワリ!」のおいしさ。チョコレートを溶かし入れたカスタードソースを添えたりしたら、子供たちから歓声があがる。僕は朝ごはんに一切れというのが大好き。


(実)

対決!オマール海老のスープ
●LIEBIG vs ALBERT MENES
 今回試したのはオマール海老のスープ。スープの種類が豊富でどこの店頭でも見かけるLiebig社のスープ(300g/ 12.75F)と、高級食料品メーカーAlbert MENES社のスープ(400g/35.75F)。Liebig社のスープは濃厚でしょっぱめ。科学調味料がきつすぎてすぐに飽きてしまう味なのに対して、MENES社のは牛乳とトマトが味をまろやかにしていてサラっと飲みやすい。ブルターニュ産オマール海老5%入りを売りものにしている後者と比較しても、Liebig社のは「オマール海老他カニなど15%入り」と実際のオマール海老の分量がはっきりしないのも、実はほどんどオマールが入っていないんじゃないかと疑いたくなってしまう。安くてもこれでは楽しみがないので、Albert MENES社の勝ちとします。こちらの方がパッケージも素敵だから、日本へのお土産にもいい。

(章)



● 生ハム豆辞典
 取材に出かけたランジス市場で生ハムjambon cruを丸ごとひとつ買ってきた。生ハムの作り方は産地によって多少異なるけれど、豚のもも肉の表面を塩、コショウ、肉の色を赤くする硝酸カリなどで繰り返しこすりながら、5カ月から10カ月かけて乾燥熟成させたもの。塩水を直接肉に注入して2カ月くらいの熟成期間で市場に出されるものも多くなったが、これは日持ちが悪く、身が粘って味も悪い。少々値段は張るが、赤ラベルで保証されているものを選びたい。大きな塊を買ってきたら、布巾にくるみ、涼しく乾燥したところに吊るしておくか、冷蔵庫の下段に入れておく。少しずつ切って、アペリチフのお供をさせましょう。贅沢!
 生ハムといえば、8~10カ月もかけて熟成されるイタリアのパルマ産jambon de Parme(キロ200フラン前後)の風味は比類がない。できるだけ薄く切って、そのままを味わいたい。季節ならメロンひと切れやよく熟したイチジクを添える。

 フランスではバイヨンヌ産jambon de Bayonne(キロ150フラン前後)が名高い。5~6カ月かかって乾燥熟成。バイヨンヌ以外で作られていても、基準どおりに作られていればバイヨンヌ産と名付けることができる。味はパルマ産よりしっかりとした味で、薄く切ってそのまま食べるだけでなく、オムレツや赤ピーマンを煮込んだピプラードに入れるとうまい。リヨンやオーヴェルニュでもバイヨンヌ産に近い見事な生ハムが作られている。
 アルプスやサヴォワ地方でも、少々燻製された生ハムが作られているが、ラベルの保証がないことが多く、当たりはずれがある。これを小さく切って、サイコロ形に切ったエマンタールやボーフォールチーズといっしょにグリーンサラダと混ぜ合わせれば、サヴォア風サラダ。やはりサヴォア地方の名物料理ラクレットにも欠かせない。
 ドイツ製はウェストファリア産jambon de Westphalieなどのように薫製風味が特徴になっている。フランスでは手に入りにくい、スペインの山地で作られるハモン・セラノはパルマに負けない繊細さ。 


 

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