ワインの肴たちが集まった。

缶詰、瓶詰、腸詰を利用する。

イワシのオイル漬け sardines à l’huile
缶詰のままでは芸がないから、小皿に盛りつけ、レモンを絞りかけ、みじん切りのパセリやコリアンダーを散らしたい。マヨネーズを添えるのもおいしい。ポルトガル製の缶詰には、おいしい卵が入っていることが多く感激してしまう。ワインは、白だけでなく赤にも合う。

タラのキモ foie de morue fum
レモンを絞りかけて頬ばると、アンコウのキモに負けないおいしさ! いつも一缶では足りなくなる。辛口でいながらフルーティーな白ワインがほしい。

カラスミ poutargue
ベルヴィルやユダヤ人街の食料品店の店先に、蝋にくるまれたカラスミがたくさん吊されている。小さいものでも1本40F前後と安くないが、できるだけ薄く切って蝋をむいて食べると、ああカラスミ! 口の中に広がる繊細なうまさ。パスティスやウッゾのようなアニス風味のオサケを飲みたい。

ソーシソン saucisson
友人とよく飲みに行く”A l’ami Pierre”ではお通しとしてみごとに乾いたソーシソンが出てくる。おかわりしておばさんににらまれたりするが、コクのある赤ワインとの相性のよさは抜群で、他のサカナを寄せ付けない。ドライで太かったらできるだけ薄く切るとか、柔らかかったり細かったりしたら、厚めに切るとかの心遣いが大切だ。リヨン産、オーヴェルニュ産、バスク産などが名高い。少し辛いスペイン産やポルトガル産のチョリソchorizo、コルシカ産やイタリア産で脂が柔らかくてうまいコッパcoppa、田舎風のパテなどと盛り合わせたら申し分ないだろう。

赤ピーマン poivrons rouges
赤ピーマンのサラダはおいしいけれど、表面を焼いてから皮をむくのが面倒という人には、この瓶詰がうれしい。トマトと半々にしたり、玉ネギの薄切りを加えたりするのもいい。オリーブ油のドレッシングで和えた方が絶対にうまいです。マグレブ系のロゼはどうだろう。


 

既製品にちょっと手を加える。

トリップの煮込み tripes /1/

トリップは、牛や子牛の胃腸のことで、スーパーや肉屋で、煮こごり状態になっているカーン風トリップtripes la mode de Caenが売られている。すでに柔らかく煮込んであるから温め直すだけでいい、という便利な食品だけれど、お酒を足したり、醤油をちょっと垂らしたり、
やっこに切った豆腐を加えたり、刻みネギをたっぷり散らしたりすれば、これはビックリ、日本の味。お酒がほし~い。コット・デュ・ローヌのような赤ワインにももちろん合う。

ニシンの油漬け harengs marines

ニシンのおろし身を燻製したものがパックになってスーパーに並んでいる。これをマリネして冷蔵庫に入れて置けば日持ちのいい肴になる。まず、2時間くらい牛乳に浸して塩抜きする。さっと冷水で洗って水気をぬぐい、テリーヌの型や小さめのバットなどに、玉ネギとニンジンの輪切りを挟みながら重ね合わせ、コショウの粒、ローリエの葉、丁字、タイムの枝を散らし、落花生油あるいはオリーブ油で覆う。冷蔵庫に2日間くらい寝かせておくと、ニシンとハーブがなじんでおいしくなる。ジャガイモのサラダと組み合わせれば、代表的なビストロのアントレですネ。

砂肝のサラダ confit de gesier /2/

ガチョウ、カモなどの肉をその脂肪を使って煮て缶詰、瓶詰にされたコンフィも、温め直すだけという便利食品だが、やはりちょっと手を加えておいしい肴にしたい。カモの砂肝のコンフィconfit de gésiers de canardを買ってくる。脂肪ごと鍋にとって、ゆっくりと温め直したら、砂肝だけをとりだす。脂肪は捨てずにとっておくこと。ジャガイモをソテーしたり、テリーヌに入れたりと使いみちが広い。食べやすい大きさにそぎ切りにし、フライパンでソテーする。ジュッジュッーといってきたら、シェリー酒のビネガーvinaigre de xerèsをさっと振りかけ、コショウをきかせ、フリゼなどのサラダの上に置けばできあがり。マディラン、ボルドーなどのコクのある赤ワインで。


 

野菜をたくさん食べて健康的に飲みたい。

カブのアリサ和え navets au harissa

新カブを一口大に切り、好みの辛さの塩水に漬け、押しをして半日。よく絞って水気を切ったら、マグレブの唐辛子ペースト、アリサで和え、おろしニンニク少々を加え、パセリを散らす。キムチに似た風味。チュニジア系レストランのお通し、”ケミア” の一品だ。

ソラマメ feves au cumin

サヤ入りのソラマメを1キロ買ってきて、サヤから出し、塩ゆで。最後にクミン・パウダーをまぶす。これもケミアの一品。アニス風味のオサケ、ロゼ、ビールなどで。

アンディーブ炒め endives sautees

アンディーブを二つに割ってからザクザクッとはすに切って、ゴマ油で炒め、しんなりしたら、オイスター・ソース少々を加えるだけ。アンディーブの軽い苦みとソースの甘みが抜群のコンビを作る。

各種オリーブ olives

マグレブ系食料品店のオリーブは種類が豊富。緑、ふっくらとした黒、しわしわの黒、タイムやローリエ風味、ニンニク風味、唐辛子入りの超辛、と20種類近くが並び圧巻だ。スーパーで瓶詰しか手に入らなかったら、エルブ・ド・プロヴァンスやパプリカ、クミパーティーには手でつまめる肴がいい。

タラマ tarama /3/

ピンク色に着色され瓶詰めになって市販されているタラマは、あまりタラコの味がせず、どちらかというとマヨネーズという感じ。せっかくのパーティーなんだから、がんばってひと味違う自家製タラマを作ってみよう。大きなスーパーかギリシアの食料品店で燻製タラコoeufs de cabillaud fuméeを買ってくる。これを100グラム、皮がついていたら皮をはがし、小さく切り分けすり鉢ですりつぶす。食パン3枚は、耳をとってからあらかじめ牛乳に浸しておき、手で絞ってからタラコに加えて、さらに均一になるまですっていく。ここまでの作業、すり鉢がなかったらミキサーです。おろしたニンニク1片を加えてから、オリーブ油大サジ4杯、レモン1個分の絞り汁を、マヨネーズを作る要領で少しずつ交互に混ぜ入れていく。カナッペにしてつまむ。オリーブ油やレモンの量は、好みで調節してください。

ロックフォールのペーストroquefort a la ciboulette

ロックフォールチーズ75グラム、その半量のフレッシュチーズfromage blanc、ハサミで細かく切ったシブレット大サジ1杯をミキサー、あるいはフォークの背を使って混ぜ合わせる。これを密閉できる容器に詰めてから冷蔵庫に12時間ほど入れ、全体の味をなじませるが、食べる1時間ほど前に冷蔵庫から出しておくこと。これもカナッペにして、シブレットの葉で飾りたい。どんな飲み物にも合う味だ。

タプナード tapenade

種が抜いてある黒オリーブ80グラム、油漬けのアンチョビー30グラム、ケイパー小サジ1杯分を、ミキサーやすり鉢を使ってなめらかなペースト状にする。これを大きなお椀にでもとり、コショウを多めに挽き入れ、オリーブ油大サジ2杯とレモンの絞り汁少々を、マヨネーズを作る要領でフォークを使って丁寧に混ぜ込みながら練り上げていく。軽くトーストした食パンに塗れば、南仏気分。

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