アフリカ音楽ファンの友人がパリに一軒しかないというエチオピア料理の店に連れていってくれた。
「初めてなら特別メニュー (120F) がいちばん」という友人の助言に従い、コット・デュ・ローヌ (1本60F) のグラスを重ねていると、ご主人のテファラさんが各種エチオピア料理を盛り合わせたお盆を持ってきた。中央にトリ肉と卵の煮込み、まわりに辛みを和らげるカッテージチーズ、牛肉や挽き肉の煮込み、ホウレン草、ヒヨコ豆やレンズ豆のペースト、サラダが並び、クレープが付いてくる。このクレープを右手でちぎりながら好みの料理を包んで口に放り込むのだ。
「これはエチオピアのお祭り料理で、このお盆を囲みながらお互いに食べさせっこをするのです」とテファラさんは、トリのソースを包んで僕の口に入れてくれた。トロ火で3時間以上煮込んだソースの奥深いうまさ! 軽い酸味がきいていると思ったら、テーフというエチオピア特産の穀物から作られるクレープの酸味でした。この酸味で肉料理もさっぱりと食べられる。「エチオピア料理の味の秘訣は各家庭特製のバター。水と一緒に溶かしてから固まらせたり、ミルクで洗ったりして純化したバターを、さまざまなハーブと一緒に漬け込むのです」
お盆の底に敷いてあるクレープはおいしい味が染み込んで、食べさせっこどころか取り合いになった。最後に煎りたてのコーヒー (15F) を飲んで大満足。(真)
Ethiopia
Adresse : 91 rue du Chemin vert, 75011 Paris , FranceTEL : 01.4929.9968
無休・夜のみ