(南)が推薦する12月のシャンソン。

★★★★Ute Lemper
“De Weimar a Paris”

恵まれた容姿と強靭な喉。歌、演技、 踊りと揃った抜群のパフォーマンスで世界中のコンサート・ホールを魅了するウテ・レンパーの優雅で華やかな大人のステージは、パリの年末のスペクタクルに絶対欠かせない。
 虚栄と倦怠、そして破局への道を辿った短くも輝かしい黄金の20年代、ワイマール文化の耽美とメランコリーを、レンパ ーは現代的感覚で歌いあげる。
 ホレンダー作「イリュージョン」といったベルリンのキャバレー・ソングから、 クルト・ワイルの作品、プレヴェールの詩やピアフの歌、それにジャズのスタンダードなど、彼女の卓越したレパートリーの中からどんな歌が歌われるかお楽しみ。
5日~16日 (火~土/20h30 日/16h)
132F ~385F(Fnac/Virgin)
*Opera-Comique : 5 rue Favart 2e
01 4244.4546
★★★ Les Poubelles Boys
上記と対照的なコンサートが、大人も子供も楽しめるユニークな3人組「ごみ 箱野郎」の久々のパリ公演。
 トイレの清掃用具から台所用品、その他のがらくたなどを使い、歌とギャグで大暴れする彼らの芸達者ぶりは、音楽大賞でスペ クタクル部門最優秀賞を受賞した経歴から大いにうなずけます。
1月 2日迄 (火~土/20h45 日/15h30)90F/130F
*Nouveau Theatre Mouffetard :
73 rue Mouffetard 5e 01.4331.1199


●ヒラリー・ハーン
まだ19歳のアメリカのヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーンは、バッハの無伴奏ソナタ、ベートーヴェンの協奏曲という、ヴァイオリン用の作品の頂点ともいえる曲を立て続けに録音した。美しい高音でしなやかに旋律を歌うだけでなく、ポリフォニーの複雑な垂直構造もみごとに表現し、多くの評論家を驚かした。今回のパリ公演は、中国出身のピアニスト、ナタリー・ズーとの共演で、ブラームスのソナタ第1番とドビュッシーのソナタ、それにバッハの無伴奏ソナタ第2番を演奏する。
12日/15h 95F
*Theatre de la Ville : 2 place du Chatelet
4e 01.4274.2277
●ウスタッド・サイデュテ・ダガール
ドゥルパッドという音楽のスタイルは、インドの声楽の中でもいちばん古く、その独特の呼吸法から生まれる歌は、インド音楽に慣れていない人の心にもストレートに染み入ってくる。ウスタッド・サイデュテ・ダガールは、ドゥルパッドを受け継いできたダガール家の19代目に属する。今回はタンブーラの伴奏でアラップという即興部分を主にしたコンサートで、その水の流れのようにしなやかな歌い方に酔いたい。
12日/17h 100F
*Centre Nadopasana : 19 av.de Clichy 17e
M! Place de Clichy
問い合わせは成瀬まで 01.4350.2633
●Gnawa Diffusion
グナワ・ディフュジオンという不思議な名前のグループを知っている? グナワは、モーリタニアなどブラック・アフリカの音楽の影響を強く受けながら、同じリズムやメロディーを反復しつつ法悦境をめざすモロッコの伝統音楽だが、このグループは、アラブ音楽、ライ、ロック音楽の要素も取り入れながら、「今」を感じさせるダンス音楽を演奏する。
6日~9日/20h 105F (Fnacで前売り中)
*Cabaret Sauvage : 30 av.Corentin Cariou
19e 01.4003.7515

●Cheikh N’Digel Lo / Bambay Gueej

(World Circuit)

ブルキナファソで生まれ、マリ、パリと住んでセネガルにいついたシェイク・ローの音楽も旅が好き。ユッスーがプロデュースしたこの最新アルバムも、サルサのリズムで幕を開け、ついでイスマエル・ロー風の軽快なダンス曲、その次は、初期のユッスーを思わせる哀感に満ちた西アフリカ演歌。4曲目のタイトル曲は、大きくうねるベース、厚い響きのホーンのリフで始まり、打楽器が絡み、「バンベー・ゲ」とローが歌い出し、あっ、これはフェラ、と思っていたら、途中からフェラの名曲 “Lady” になるという、大ヒット間違いなしの傑作。タマ (トーキング・ドラムス) の短いソロもみごと。現在アフリカでいちばん美しい声といってもいいウムー・サンガレとデュエットする “Bobo-Dioulasso” は、ギターの泣き節も切ないバマコのレイルバンド風ブルース。これだけまとまりのあるアフリカン・ポップスCDは久しぶり、2000年へは、このアルバムで踊り込みたい。