英仏 “牛肉戦争” 終結?


 狂牛病問題による3年間の英国産牛肉の輸出禁止が 8月1日に解除され、バカンス明けには堰を切ったようにフランスにも英国の肉が押し寄せてくると思っていた。
 が、実際には欧州科学委員会が英国産牛肉の安全性を認めたにもかかわらず、フランス人には英国産というだけで狂牛病のイメージがつきまとうばかりか、10月1日に自国の安全食品衛生局(AFSSA)が英国産牛肉に関する要注意的な調査結果を発表したため、シラク大統領もジョスパン首相も警戒心を深めるばかり。欧州委員会が仏政府への最後通牒で示した期限に当たる11月16日にも、英国産牛肉の輸入禁止措置を撤廃しようとしないフランスに対し、欧州委員会はさらに15日間の猶予を与えた。それでも仏側の歩み寄りがなければ、EU協定違反国として欧州裁判にかけることを決定。仏政府がここまで追い詰められてもツッパっているのは、ドイツ、米国を含む46カ国が英国産牛肉に門戸を閉じたままということもある。
 仏安全食品衛生局は「99年1月から8月までに英国で狂牛病が1298件(96年以来約16万件、仏は74件)発見されており、狂牛病の目立った減退が見られないばかりか、狂牛病に冒された牛肉を英国が輸出する危険性を完全に防ぐことは不可能」と政府に警告。そこでグラヴァニ仏農相は、英国産牛肉の輸入禁止解除にあたって5つの条件を提示した。英国産牛肉に対する検査の強化、検診制度の改善、牛肉および牛肉加工品の原産地をラベルで表記などである。英国では狂牛病が発生した場合、ウシ海綿状脳症に罹った牛だけを焼却し、フランスのようにそこに飼われている全家畜を処分しないことからも、仏政府は用心一点張りの姿勢を貫く。11月23日の討議で、英国は仏農相が提示した大半の条件を受け入れ、やっと牛肉紛争に解決の目鼻がついたようだ。
 しかし仏政府としては、汚染血液問題の二の舞を演じまいと用心すればするほど、英国の牛の顔がどれも病んで見えてしまうのだろう。欧州委での英仏科学者会議に出席したオブリー雇用・連帯相も「原産国表示のラベルを付け、消費者に危険性が皆無とはいえない牛肉の中から選びなさいと、政府が責任を逃れるようなことは許されない」と表明している。
 英仏の”牛肉戦争”に業を煮やした英国の畜産農業組合は、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、ボージョレ・ヌーヴォーはヨダレが垂れても飲むものか、と英国の消費者に不買運動を呼びかけた。そしてボージョレ・ヌーヴォーの解禁日を”英国産ビーフ&ビール”デーに代えたとか。食べ物のケンカはコワイです。(君)


フランス人は食品に対して敏感

75% 品質表示に賛成
29% 牛肉の品質表示
24% 鶏肉の品質表示
19% 豚肉の品質表示
16% 卵の品質表示
12% 魚介類の品質表示
11% 野菜の品質表示
11% 羊肉の品質表示
10% チーズ類の品質表示
*10/27-28日に15歳以上の1003人を対象としたIFOPの調査。(99/11/23:Le Monde)