“IN FACT”をのぞいてみよう。

パリ9区シャトーダン通り51番地の建物は、ずっと空き家だったが、6カ月前から活気をとり戻した。”In Fact”という協会に属する、さまざまな分野のアーティスト約30人が、ここに無断入居して創作活動を始めたからだ。
責任者のエリックさんはsquaters (無断入居者) という言葉が持つ《無責任》とか《無秩序》といったイメージを強く否定する。「アーティストはそれぞれ鍵を持ち、自分のアトリエを訪れる人たちに対して責任を持つことになっているし、建物自身も、放置されているより、きちんと使われていた方が傷みが少ない」

外見は、通り過ぎてしまいそうなふつうの建物。

「自分のアトリエを持ちたいという個人レベルの要求にとどまらず、”In Fact”を媒体にしながら、この場所を既存の美術館や画廊とは違った、新しい芸術空間にしていきたい」という意欲は、定期的に開催される展覧会、コンサート、映写会などに現れている。また、ほかのアーティストが数週間あるいは数カ月仕事ができるようにと、10近いアトリエも用意されている。

陽が射し込む部屋の中でインスタレーション。

“In Fact”が、この建物に残れるかどうかの裁判所の決定は、10月25日まで待たなくてはならないが、現在は正規の契約を交わせるようにと、この建物の所有者とも交渉中だ。
(文・写真 : Seb Naxa)
*51 rue Chateaudun 9e 催し物、その他についての問い合わせは 06.1605.164