おいしい白ワインのキャンペーン中で店の外にまで臨時のテーブルが設けられ、産地直送のカキのスタンドもでき、ワイン好きにはたまらない天国となった。乾杯が重なる。
新たにオープンする店は、bistrot à vinあるいはbar à vinというくらいに、一時はワインバー・ブームだったが、最近はちょっと落ち着いてきたようだ。
レストランのフルコースは面倒だし、財布もままならない。ふつうのカフェは、安くてもワインがいい加減。その点、ワインバーなら、生ハムやチーズの盛り合わせを一皿とって、みんなで楽しく何種類かのおいしいワインを楽しむことができる。元気ならハシゴもできる。原則的にはカフェなので午後4時に出かけてもかまわない。といったところがワイン愛好者に受けた原因だろう。
それに、この10年くらい、ロワール地方や南仏でおいしいワインを作る人たちが増えてきて、ボルドーやブルゴーニュといった高級ワインに匹敵するような質のいいワインを、手ごろな値段でサービスできる、という条件も揃っていたからに違いない。そんな各地のワインの名品を見つけることに情熱を燃やしているワインバー経営者もまだまだ多い。
ワインバーに出かけたら、お店の人にどんなワインがおすすめ、と聞いてみるのがいちばんだ。きっと自慢のワインを出してくれるだろう。何杯か味わいたいなら、白から赤、軽いものからコクのあるものへ、という順番くらいは守りたい。
名前はbar a vinでも、あまり努力のあとがうかがわれないダメ店も多い。ワインファンは口がうるさいので、評判を落として姿を消した店もある。
おすすめできるパリのワインバーは?とオヴニー・スタッフは、酔っぱらうことを覚悟でパリの街に繰り出した。
(真)