国外退去に抵抗し懲役一年刑。

 モンマルトル近くの教会を占拠していた不法滞在者のうち12人のマリ人が、3月28日に国外退去させられる際に、着の身着のまま「手錠をかけられロワシー発バマコ行の旅客機に強制的に乗せられ、叫べないようにクッションを顔に抑えつけられた」(9月にベルギーでは一人の不法滞在女性がナイジェリアヘの国外退去時にクッションを顔に当てられ死亡している)。
 このとき機内にいあわせた乗客の何人かが、警官の行きすぎに憤慨し飛行機から降りた。と同時にマリ人らは国外退去を拒否したとして起訴された。6月の第一審は、国外退去手続きを無効とし全員を放免した。が、検察側が上告。11月26日、控訴院は「一番激しく抵抗し警官を罵倒し侮辱、乗客に暴動を呼びかけた」として、ディアワラ被告(30)に、判事求刑の懲役4カ月より重い1年、他の3人に懲役3~6カ月、及び各々に5年間入国禁止の判決を下した。この異例の判決に司法官組合や人権擁護団体は抗議し、弁護側もいまだかつてない異常な判決と唖然。
 折も折、99年6月の欧州議会選挙の仏緑の党のリーダーに選ばれた、ドイツ緑の党仕込みのコンバンディットがジョスパン首相にあてて「次回大統領選に勝ちたいなら申請した不法滞在者全員を認可すべきで、ドゴール将軍のように偉大な政治家には寛容さが必要」と諌めれば、党首ヴォアネ環境・国土開発大臣も「命を賭してハンストをする不法滞在者に滞在許可証を出すべき」と首相への意義申し立ての気炎をあげたものだから、首相は怒り心頭。国民議会で「閣僚の無責任な発言」と激しく非難、連合内閣の内輪もめが顕わに。
 97年にジョスパン首相がシュヴェヌマン 移民法に基づき不法滞在者に許可証を出すと発表して以来、今日推定30万人といわれる不法滞在者のうち14万人が申請、そのうち 8万人が認可された。残る6万人は地下に潜るかシェンゲン協定国を渡り歩くしかない。例えばイタリアに入国後フランスに移ってきた不法滞在者は最初に到着した国イタリアに送り還される。最初に受け入れた国が責任をもつわけである。
 また、来春議会での批准が待たれているアムステルダム協定はシェンゲン協定をさらに進め、移民問題をEU全体の問題として、特に移民の取り扱いを各国の権限からEUの管轄に移行させるもの。
 EUに”エルドラド”を求めて東欧、アフリカ、アジアから押し寄せる経済移民や民族紛争・内戦を逃れて来る亡命者に対し、アムステルダム協定は防波堤になるのだろうか。不法滞在者をどのくらい受け入れどのくらい国外退去させるかよりも、フランスには共和国としての”寛容さ”が求められているようだ。(君)国外退去に抵抗し懲役一年刑。 モンマルトル近くの教会を占拠していた不法滞在者のうち12人のマリ人が、3月28日に国外退去させられる際に、着の身着のまま「手錠をかけられロワシー発バマコ行の旅客機に強制的に乗せられ、叫べないようにクッションを顔に抑えつけられた」(9月にベルギーでは一人の不法滞在女性がナイジェリアヘの国外退去時にクッションを顔に当てられ死亡している)。
 このとき機内にいあわせた乗客の何人かが、警官の行きすぎに憤慨し飛行機から降りた。と同時にマリ人らは国外退去を拒否したとして起訴された。6月の第一審は、国外退去手続きを無効とし全員を放免した。が、検察側が上告。11月26日、控訴院は「一番激しく抵抗し警官を罵倒し侮辱、乗客に暴動を呼びかけた」として、ディアワラ被告(30)に、判事求刑の懲役4カ月より重い1年、他の3人に懲役3~6カ月、及び各々に5年間入国禁止の判決を下した。この異例の判決に司法官組合や人権擁護団体は抗議し、弁護側もいまだかつてない異常な判決と唖然。
 折も折、99年6月の欧州議会選挙の仏緑の党のリーダーに選ばれた、ドイツ緑の党仕込みのコンバンディットがジョスパン首相にあてて「次回大統領選に勝ちたいなら申請した不法滞在者全員を認可すべきで、ドゴール将軍のように偉大な政治家には寛容さが必要」と諌めれば、党首ヴォアネ環境・国土開発大臣も「命を賭してハンストをする不法滞在者に滞在許可証を出すべき」と首相への意義申し立ての気炎をあげたものだから、首相は怒り心頭。国民議会で「閣僚の無責任な発言」と激しく非難、連合内閣の内輪もめが顕わに。
 97年にジョスパン首相がシュヴェヌマン 移民法に基づき不法滞在者に許可証を出すと発表して以来、今日推定30万人といわれる不法滞在者のうち14万人が申請、そのうち 8万人が認可された。残る6万人は地下に潜るかシェンゲン協定国を渡り歩くしかない。例えばイタリアに入国後フランスに移ってきた不法滞在者は最初に到着した国イタリアに送り還される。最初に受け入れた国が責任をもつわけである。
 また、来春議会での批准が待たれているアムステルダム協定はシェンゲン協定をさらに進め、移民問題をEU全体の問題として、特に移民の取り扱いを各国の権限からEUの管轄に移行させるもの。
 EUに”エルドラド”を求めて東欧、アフリカ、アジアから押し寄せる経済移民や民族紛争・内戦を逃れて来る亡命者に対し、アムステルダム協定は防波堤になるのだろうか。不法滞在者をどのくらい受け入れどのくらい国外退去させるかよりも、フランスには共和国としての”寛容さ”が求められているようだ。

(君)

不法滞在者問題へのフランス人の見方

48% 不法滞在者全員の認可には反対

45% 不法滞在者全員の認可に賛成

賛成者を支持政党別に見ると

69% エコロジスト

60% 共産党支持者

54% 社会党支持者
*11/18-19日の世論調査 (98/11/20 Le Parisien紙掲載)

 


 

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