20世紀を超えて
BLE (地域交換市場) には子どもたちも数多く参加する。
フランス、ヨーロッパ、世界中が危機に陥っている世紀末、バブルにつながっていく世界化やグローバリゼーションが語られている。そんな中で自分のことは自分で面倒をみようという人たちが出てきたのは興味深い。この新風を伝える人たちは、グローバルあるいは世界的レベル(多国間投資協定、ユーロ)で考えつつも、哲学的、経済的、宗教的、一言でいえば “唯一の思考”
のごとき一神論タイプの全体主義的な大理論の外に出て、ローカルなレベルで行動する。ローカルなレベルでの行動とグローバルな思考の間を絶え間なく行ったり来たりしながら、閉鎖的になることを避ける。というのも、フランスで SELが、過疎化が進んでいる地方で発達したとしたら、それは心が過疎化することを避けるためではないのだろうか?
SEL は、人と人との絆の関係が “財産” になるような新しい関係を生み出し、物質的な財産や商品だけが人間を結びつけていた市場経済の原則に取って替わるものだ。
SEL はギヴ・アンド・テイクではおさまらない。その例を挙げてみよう。この特集の準備中に、私たちはパリの SELの熱心な会員であるガブリエル・ファーブルさんと知り合った。彼は、「何もやりたくない人は言い訳を見つけるが、何かをやりたい人は解決策を見つける」といいながら、エスパス・ジャポンの書道教室を無料で受講するかわりに、ここに掲載されている写真を提供してくれた。