OVNI 424 : 1998/10/15 N° 424 1998-10-15 ■ 社会復帰用の財源がサッカークラブへ ジョゼ・ロッシ南コルス (コルシカ) 地域圏会議長が、1995年から97年にかけて議会の承認後、RMI (社会復帰のための最低収入)予算685万フランを、サッカークラブなどさまざまなスポーツクラブに横流ししていたことが、アジャクシオ警察の調査で明らかになった。 ■ 猿ぐつわや枕が登場する国外強制退去 9月22日ブリュッセル空港で離陸待ちだった飛行機の中で、国外強制退去されることに逆らったナイジェリア人のセミラ・アダムさん (20) は、警官二人に機内枕を押しつけられて窒息死。ベルギー各地で激しい抗議運動がおこり内務相が辞任。フランスの国境警察は、1996年以降、国外強制退去者をおとなしくさせるために猿ぐつわをはめたり、機内枕を顔に押しつけたりする手段は使われていないと発表。しかし、今年3月に12人のマリ人が国外強制退去された際も、猿ぐつわ、機内枕、鎮静剤が使われただけでなく、警官による殴る、蹴るの暴力行為もあった、とS・モジャンドル弁護士が証言。 ■ エドゥアール・エリオ病院の明暗 9月23日、リヨンのエドゥアール・エリオ病院で、多国籍の外科チーム8人による世界初の手の移植手術が成功。9月25日夜、同病院で2時間にわたって停電。自家発電への切り替え装置が機能せず、人工呼吸中だった26人の患者は他の病院に移送されたが、その直後に2人が死亡。病院側は「どちらも絶望的な病状だったので、移送の影響ではない」と主張している。 ■ トゥーロンで国民戦線党 FN 破れる 9月27日、トゥールーズでの国民議会補欠再選挙決選投票で、社会党のオデット・カザノヴァさんが51.5%を獲得、734票差(無効になった5月の選挙では33票差)で 国民戦線党のサンドリーヌ・ルシュヴァリエさんを破った。 ■ 国営テレビ改革案 9月29日、トロートマン文化相は国営テレビ改革案を発表。それによればFrance 2 と France 3 では、2000年から1時間につき12分のCMが5分に短縮される。「利益を追うことだけを考えず、質の良い番組を制作し、報道の倫理を高め、文化の民主化を目指すため」とジョスパン首相も力説。なお来年度のカラーテレビの受信料は735Fから744Fに値上げ。 ■ B型肝炎ワクチンに影 10月1日、クシュネール厚生相は、中学生を対象としたB型肝炎ワクチンの一斉注射を中止すると発表した。このワクチンには多発性硬化症などの副作用があると指摘されていた。この肝炎はエイズ同様、輸血や性交渉を通じて感染。麻薬中毒者、医療関係者など感染する危険性の高い人には予防注射が続けられる。 ■ APDは一日だけの徴兵 1996年シラク大統領は徴兵制を廃止する意向を示したが、その方針にそって、10月3日、80年生まれの男子を対象としたAPD と呼ばれる一日だけの徴兵が実施された。毎年約40万人がこの義務を果たす。2000年からは18歳になった女子も召集される。この日は軍の施設に集まった若者たちに国防の原則などが説明される他、フランス語の正しい読み書きができるかどうかのテストも行われ、この世代でも8%はいるという文盲追放の大切な手がかりになるだろうと期待されている。 ■ 第77回凱旋門賞 10月4日、パリのロンシャン競馬場で開催された第77回凱旋門賞で、3歳馬のサガミックスが直線に入ってからの見事な追い込みで初優勝。オリヴィエ・ペリエ騎手は凱旋門賞3連勝!馬主のマトラ社のラガルデール社長は400万フランを獲得。 ■ シュヴェヌマン内相快方に向かう 9月2日、麻酔に使われた薬物のアレルギーで心臓が1時間以上停止し昏睡状態に陥って以来、シュヴェヌマン内相はパリのヴァル・ド・グラース病院に入院中だが、その病状は快方に向かっている。10月5日には、内務省職員に「素晴らしい仕事ぶり」と手書きによる感謝のメッセージを送った。医師団によると、来年の春先には職務復帰も可能とのこと。 Share on : Recommandé:おすすめ記事 11月21日の国鉄スト情報。 中学校教員殺害事件の公判が始まる。 前代未聞の〈マザン事件〉裁判始まる。 トラン・トゥ・ニャーさんの闘い − フランスで枯葉剤訴訟。 人気コメディアンの解雇と、揺れるメディアの自由。 広島・長崎の原爆語り継ぐ4日間、トゥールで開催。