OVNI 423 : 1998/10/1 N° 423 1998-10-01 ■ モルロア環礁大気中核実験の影響か 7月末国防省は、モルロア*環礁で1966年から1974年にかけて行われた46回の大気中核実験の悪影響はない、と発表。しかし、国立衛生医学研究所Insermのド・ヴァテール疫学教授は、1950年から1975年の間に環礁1000km以内で生まれた女性でガンにかかっている5人のうち4人が甲状腺ガンであり、これからも綿密な調査が必要と語る。 *従来はムルロア Mururoa 環礁と呼ばれていたが、これはフランス軍が聞き間違えたためで、住民の要求により、1996年からモルロア Moruroa と公式に訂正された。 ■ ドーピングがあった、と選手も自供 今年のツール・ド・フランスでフェスティナ・チームがドーピング違反の疑いで追放され、監督、選手らの取り調べが続いていたが、その中の一人アレックス・ズレ選手は、オンセ・チームに属していた4年前から増血ホルモン剤 EPOを摂取し、今年は6月からフェスティナチームの医療スタッフが EPOを選手に配り、二日おきに、医師あるいは選手自身が注射していたと自供。 ■ ハンス=ヨアヒム・クライン逮捕 9月8日、かつてドイツ赤軍派に属し、国際的なテロリスト、カルロスの共犯者としてドイツ警察から逮捕状が出ていたハンス=ヨアヒム・クライン (51) が、ノルマンディーの小村で逮捕された。5年前からディルク・クラウゼンという偽名でこの村に滞在していた。「ユーモアに富み、人の役に立つことを惜しまず、仲のよい友だちだった」と村長さん。 ■ 1999年度国家予算 9月9日来年度の予算案が閣議で承認された。歳入は、経済成長のおかげで4.7%増の1兆3960億フランを見込み、財政赤字削減、減税などに充てられる。歳出を見ると農業省、外務省をのぞいて、ほとんどの省の予算が増額される。中でも環境省は額は少ないものの14.8%増で、政府の公害などに対する積極的な姿勢を示している。 ■ 被疑者の権利を守る法案 9月16日、エリザベート・ギグー法務大臣は、被疑者の権利を守ることを骨子とした法案を閣議に提出した。逮捕された被疑者は、テロあるいは麻薬売買の容疑をのぞいて、最初から弁護士を要求できる、取り調べに当たっている予審判事以外の判事が被疑者の未決拘留を決定する、裁判で有罪が確定するまでは被疑者の手錠姿などをニュースで流すことを禁じる、などが主な内容だ。 ■ テクノ・パレード 9月19日、ベルリンのラブ・パレードに感動したラング元文化相の肝いりで実現したテクノ・パレードに、10万人以上が参加。ナシオン広場でのコンサートも人波で湧いた。22時45分過ぎに、30人ほどのグループが参加者に襲いかかり、数十人の負傷者を出した。 ■ フランスでもバイアグラ解禁 男性の性的不能の治療薬として注目を浴びているバイアグラが、フランスでも10月15日より薬局で発売される。4錠入りが300フランほどになる予定だが、薬なので医師の処方箋が必要。 ■ 社会保障改革案 9月22日、オーブリ雇用・国民連帯相は、社会保障赤字ゼロを目標とした改革法案を発表。それによれば、医療費の総額があらかじめ定められた額を越えた場合、診察料を値下げするなどの措置をとる。薬剤師は処方箋で指定された薬剤以外の、同成分で安価な薬剤*を提供することができる。これに対して医療関係者から強い反対の声が上がっている。 *こうした薬剤は medicament generique と呼ばれている。製造専売特許期間の切れた薬を他の製薬会社が製造しているもので、まったく同じ成分でも30%ほど値段が安い。社会保障や相互保険で薬剤が全額返済される人にはどちらでもいいようだが、国にとっては大きな倹約。 Share on : Recommandé:おすすめ記事 11月21日の国鉄スト情報。 中学校教員殺害事件の公判が始まる。 前代未聞の〈マザン事件〉裁判始まる。 トラン・トゥ・ニャーさんの闘い − フランスで枯葉剤訴訟。 人気コメディアンの解雇と、揺れるメディアの自由。 広島・長崎の原爆語り継ぐ4日間、トゥールで開催。