マトゥブ・ルネス Matoub Lounes 暗殺されたカビリアの歌手


“Même si la force abandonne mes bras,
ma voix est encore puissante qui giclera
pour qu’on l’entende (…)
 
 「力が私の腕を見棄てても、私の声はまだ力強くほとばしり、みんなの耳に届く」と歌った、アルジェリアのカビリア地方出身の歌手マトゥブ・ルネスが、6月25日、カビリアの中心都市チジ・ウズから車で家に帰る途中、武装したグループに待ち伏せされて殺害された。42歳。カビリア独自の文化と言語 (ベルベル系) を擁護するために積極的に闘っていた彼は、イスラム強硬派からもゼルーアル現政権からもにらまれていた。 アラビア語を唯一の公用語にする法律が施行される10日前の事件だった。それからの数日間はチズ・ウズ、ベジャイアなどカビリア地方の町々で住民たちが激しい抗議デモを繰り広げて軍と衝突、5人の死者を出した。パリでもトロカデロやレピュブリックの広場に、「マトゥブのアルジェリアが勝利する」というスローガンのもとに数千人が集まり、ルネスを偲んだ。すでに録音済みの彼の最新アルバム “Lettre ouverte aux…” (Virgin) は、7月11日に発売。

(真)