今、サルサが流行っている
ラジオを 99FM にあわせるとサルサが流れてくる。この Radio Latina で精力的にサルサを
紹介しているロベルトさんと、彼のゲストとして活躍している “サルサ博士” のガスさんに面白い話を聞かせてもらった。
お二人のサルサとの出会いは?
ロベルトさん (以下 Rと略) : ピノチェト政権を逃れて家族とチリからパナマにやってきたのが8歳のとき。パナマの町を走っている色鮮やかに塗られた小さなバスにはサウンドシステムが備わっていて、そこから流れてくるサルサに魅せられてしまったんだ。
ガスさん (以下Gと略):僕はセネガルのカザマンス地方出身だけれど、小学校時代の先生にサルサが大好きな先生がいて、よくオルクェスタ・アラゴンの曲を口笛で吹いていたのが、サルサとの出会いだ。大きくなって、ラダ・ソセというウォロフ語でサルサを歌う天才ミュージシャンをプロデュース。現在はキューバに埋もれている伝説的な録音の発掘に力を入れている。
R : キューバのミュージシャンは “サルサ” という呼び方が大嫌いだよね。
G : “サルサ” というのは、ニューヨークのファニア・オール・スターズの連中が、売り込みやすいようにと、25年ほど前に見つけた名前だからね。
最近、パリでサルサがブームになったのは、なぜでしょう?
R:91年ごろから、キューバ政府が観光に力を入れるようになり、多数のフランス人がキューバを訪れたからだと思う。陽気で親近感に溢れ、踊りが抜群で、どこまでも魅力的なキューバの人たちのトリコになってしまった。そんな思い出を再体験したくてサルサの夕べに出かけていく…
G : サルサのライブで踊るのは、友人宅でのパーティーのようなくつろいだ雰囲気があり、「また次のライブで踊りましょう」などとデートの約束ができるしね。
R : ベルナール・ラヴィリエとか、最近ではダニー・ブリアンといったフランスの歌手がサルサを歌ってヒットさせたのも大きい。
G : パリのサルサファンは耳が肥えていて、面白くなければもう行かないとハッキリしているから、演奏する側も真剣になる。
“ラジオ・ラティナ” はいつできたんですか?
R : 82年に放送を開始したが、当初は他のラジオ局と周波を分け合っていて、きちんとした会社経営になって本格的にサルサを流し出したのは92年になってから。そして94年ごろからサルサ熱が急速に高まっていく。
最近はどんなリクエストが多いですか?
G : ドミニカ共和国出身のチチ・ペラルタがすごい人気。キューバのベテラングループ、ロス・ヴァンヴァンもがんばっている。
R: 7月3日の21時から夜明けまで、ヴァンセンヌの森の Chalet de la Porte Jaune で、僕らの主催でサルサの祭典 “La Fiesta”!素晴しいサルサバンドの演奏はあるし、ブラジルのカーニバルもあるし、南の島の料理も味わえる。この祭典にオヴニーの読者4名をご招待し
たい*。
グラシアス!! (インタビュー : 佐藤真)