OVNI 418 : 1998/6/15 N° 418 1998-06-15 ■ ジョスパン首相の人気衰えず 5月末に発表された CSAとリベラシオン紙共同の世論調査によれば、保守系、革新系を問わずフランス人の80%近くが、ジョスパン首相を、”意欲的である”、”信念に忠実である”、”勇気がある”と評価していることが明かになった。また、彼の渡米を前にして、ワシントン・ポスト誌も「ジョスパン首相はフランス人の信頼を勝ち得た。彼の学究肌で謙虚なスタイルは今までのフランスになかったものだ」と賛辞をおくった。 ■ チベリとトゥーボン仲直り? パリのトゥーボン13区区長はチベリ市長に反旗を翻していたが、5月26日、シラク大統領のチベリ支持が不変であることや、党除名というセガンRPR総裁の強いプレッシャーに屈して、彼を中心にしたグループ “パリ”を解散することに同意した。チベリ市長派は「ほとんどノックアウト勝ち」と大喜び。 ■ フランスでパートタイムが増えている CSERCの調査によれば、96年度を例にとると、フランスでパートタイム (週 32 時間労働以内) で働いている人の数が15.6 %に達し、ドイツに追いついた。その内の40 %は、パートタイムは企業側からの要請で不満であるとしている。それに比べると、ドイツはわずか10%が不満を表明し、パートタイムがレジャーや家族優先のための手段になっていることを示している。パートタイムを多用する業界は、デパート、ハイパーマーケット、ファーストフードなどで、社会保障の会社負担や超過勤務割り増し賃金を逃れる手段になっている。 ■ 1915年のアルメニア人大虐殺 5月29日、フランス国民議会は、1915年のトルコでのアルメニア人大虐殺がジェノサイドにあたることを認める法案をほぼ満場一致で可決した。この大虐殺は、トルコ政府がアルメニア人をシリアに向けて強制移送している間に起こったもので、110~130万人が犠牲になったと推定されている。フランスには、トルコだけでなくロシアの迫害を逃れたアルメニア人の子孫が多数住んでいる。 ■ シャトー・ジスクールに混ぜ物 “シャトー・ジスクール” は、ボルドー地方マルゴーの高級ワインとして知られているが、95年の製造手帳に、酸、水、牛乳中のカゼインを添加したり、他のミレジメやオー・メドックのワインを混ぜ入れたことなどが記載されていた。現在、醸造責任者と元社長が取り調べを受けている。ボルドーワインは、ここ数年高騰を続けているだけに、ワインファンは寝耳に水。 ■ 14万5000人の半分は不法滞在者に 左翼連合政権に期待を託して、正式に滞在許可証を申請した外国人の数は約14万5000人に達したが、エコロジストや外国人支援団体の予想を裏切り、5月末現在で、滞在を許可されたのは7万人弱。不法滞在の外国人にはほとんど不可能に近い、納税証明書や給料明細書などの提出が審査基準に含まれていたり、各県によって書類審査がバラバラだったりで、批判の声が強い。また、保守政権以上の強硬姿勢で、これだけ多くの外国人を強制送還することは可能なのか、という疑問が社会党内部にも強い。 ■ ローランギャロス杯 6月6日と7日、テニスの全仏オープンの決勝戦が行われ、女子はスペインのアランチャ・サンチェスが米国のモニカ・セレシュを破ってチャンピオンに。男子はスペイン人同士の対決となったが、カルロス・モヤがアレックス・コレチャを3セットのストレートでで破った。 ■ サッカー・ワールドカップ開幕 フランスでは60年ぶりのW杯は、6月10日のブラジル・スコットランド戦で幕を切った。過去最高32カ国が参加、決勝の7月12日まで64試合にわたる熱戦が繰り広げられる。8万人を収容できるスタッド・ド・フランスの建設に27億F、全体の運営に24億Fという巨額を投じたマンモスW杯だ。優勝候補に、ブラジル、ドイツ、アルゼンチン、スペイン、ナイジェリアなどが挙がっている。 Recommandé:おすすめ記事 前代未聞の〈マザン事件〉裁判始まる。 トラン・トゥ・ニャーさんの闘い − フランスで枯葉剤訴訟。 人気コメディアンの解雇と、揺れるメディアの自由。 広島・長崎の原爆語り継ぐ4日間、トゥールで開催。 地デジ放送TNTの割当審査で、C8とNRJ12が除外される。 「サルコジを救え」作戦:BFMTV関与の疑い。