W杯とパイロット、どちらが大切?

よりによってワールドカップの前にエールフランスのパイロットがストライキ ! 6/1日にストに突入し、15日間続ける決意だったのだから、W杯を人質にしたとしか言いようがない。国営AFは全チームの10都市間の移動を保証する契約まで結んでいたので、信用はガタ落ち。 そのうえ1日のストで1億フラン の損失というから、国民はイライラ、ハラハラしどうし。
 操縦士組合 (3200人のうち8割が所属)の要求は2点。昨年ブラン前総裁と他の組合が交した、初任給の二重賃金体系案(操縦士の場合、若年未経験者は年収24万フラン、 経験者は35万フラン)の撤回と、もう一つは、経営者側が提案する経費節約案の見直しだ。これは賃金15%カットの代わりに、この秋予定されている20%の株公開時に株を譲るか、または5年間賃金を凍結してもいいか二者択一をせまるもの。
 空を行くエリート中のエリート、機長は自分が腰を上げなければ旅客機は1ミリも動かないことを知っている。 「聖域」とされてきた彼らの賃金体系のなしくずし的変更への怒りが爆発?
 スピネッタ総裁は、ドゴール空港の拡張に合わせ旅客機70機の購入(300億フラン)と、機長 600人他、乗員・地上職数千人の増員とで総額 400億フランの投資を必要とし、機長の賃金カットにより年5億フランの節約が不可欠と主張する。彼らの給料は英国航空より19%、 ルフトハンザより40% も高いのだから、AFの競争力を伸ばすために協力すべきと高姿勢。
 93年に巨大赤字を抱えていたAFは、地上職のリストラと 200億フラン の増資で危うく経済危機から立ち直り、97年は19億フラン近い純益を上げているが予断は許されないと、政府もスピネッタ総裁を支持。
 すでにスチュワードとスチュワーデスには二重賃金体系を適用しており、ここで機長らの要求をのんだら他の組合が黙ってはいないはず。譲歩は禁物と、経営者側は一歩も譲らず、労使交渉は暗礁に。
 長引くストへの不満がAF社内にも広がり、四面楚歌のパイロット組合は、ついに(!) W杯初日の10日、妥協案に合意しストを中止 ! 経営者側は二重賃金体系案を撤回し、希望者を対象に株が肩代りする期限付きの賃金カットへの合意が成立。
 ワールドカップまで巻き添えにしかねなかったスト”爆弾”では国民の支持は到底得られないはず。スピネッタ総裁もそれを知っていたのだろう。     (君)

AF機長の年収
    (乗務時間月70H)

34万F 若年初任給 (税込)
75万F 12年勤務 (税込)
120万F 25年勤務 (税込)

British Airways 機長の年収
20万フラン 初任給
60万フラン 10年勤務
82万フラン 24年勤務 (Libération : 98/6/1)


 

パスワードをお忘れの場合、OVNINAVI.COMに登録したE-mailアドレスにパスワードをお送りします。登録E-mailアドレスを入力してください。


戻る