EMIレーベルから、m・モレリの「堤に咲く花」、g・モンテロの2枚組CD、J・マレーの「コクトー集」など60~70年代のシャンソンの名盤が次々とCD化されている。これらの復刻盤の中でも最も異彩を放っているのが、画家・俳優・歌手で夭折したジアニ・エスポジトが残したアルバムだ。
映画「フレンチ・カンカン」で陰気な感じの王子様役を演じていた彼のcdの前半には、シャンソンでは珍しいインドの古典の影響を受けたアルバム「瞑想のシャンソン」が収録されている。”jardiniers qui doutez de l’arbre de la vie” やクリシュナを賛えた”l’arbre de santal” などの詩を歌っているが、どこかお経のような響きがする。後半には、代表曲の”un noble rossignol a l’epoque Ming”も入っている。(南)