Deuxième biennale des photographes du monde arabe contemporain
現代アラブ世界を撮った写真家50人の作品を、ヨーロッパ写真美術館(MEP)とアラブ世界研究所(IMA)が中心となって展示する、2015年に続く2回目の催し。今年はチュニジア人とアルジェリア人の写真家にスポットを当てた。中でも目を引いたのは、MEPで開催中のファリダ・ハマック展。彼女は6歳の時にフランスに移住した。以降、フランスとアルジェリアを行き来し、独学で写真を始めた。「アルジェリアのすばらしさを知ってほしい」と言う彼女は、舞台衣装をつけた女性ダンサーたちが自然の中で憩う場面や自然を撮り、夢幻的な作品にしている。印象が強かったのは、フランス人写真家ミシェル・スロムカが撮った、イラク北部の少数宗教のヤズディ教徒と彼らが住んでいた町シンジャルの写真展(4区区役所)。2014年にISに襲撃されたシンジャルで、男性は殺され、女性と子どもは奴隷としてISに連れ去られた。町が解放されて戻って来た老夫婦、難民キャンプ近くで踊る少女たち…。4区区長は 「70年前にナチスの強制収容所から4区に戻って来た人々とシンジャルに戻って来た人々が重なる」と、この展覧会を開く意義を語っている。人間とは何か、を強烈に突きつけられる展覧会だ。(羽)
アラブ世界研究所 (11/12迄)、パリ4区区役所 (10/29迄)、ヨーロッパ写真美術館 (10/29迄)、シテ・アンテルナショナル・デザール (11/4迄)、マレ地区とサン・ルイ島の4画廊で開催。MEPとIMA共通チケット 13€/8€。