フランス元老院は、11月14日、父親*の産休「Congé paternité」を現行の14日から28日間に延長し、そのうち7日間を義務とする法案を、圧倒的過半数で可決した。2021年7月からの施行となる。(*「父親」は異性婚、同性婚、PACS、パートナーすべてに適用される。勤続期間、労働契約のタイプに関係なく適用。フランスでの就労者であれば、国籍にも関係なく適用される)。
28日間に延長される産休のうち、3日間の「出産休暇 Congé de 3 jours de naissance」は現行どおり会社負担、25日間の「父親産休」は社会保険 Sécurité socialeが支給する。双子、三つ子などの場合は、さらに7日間延長される。
改革は、精神科医者のボリス・イリュルニクを代表とする学術委員会がまとめた報告書「子どもの最初の1000日間」をもとに推進された。成長のペースがもっとも速く、環境に影響を受けやすいといわれる妊娠4ヵ月ごろから話し始める2歳ごろまでの栄養摂取や感情的環境などがその後の発育に大きく関係することを踏まえ、重点的に国が親の支援を行うというもの。