Bacalhau à Braz
ぼくは干ダラmorue(ポルトガル語で bacalhau)が大好きで、暑いときには、塩出ししてから夏野菜とともに湯がいた干ダラ入りのアイオリ、友だちが来れば、アペリティフのお供に干ダラ入りカリブ風かき揚げのアクラ。マッシュポテトと混ぜ合わせてオーブンで焼くブランダードもうまい(773号)。というわけで、台所に干ダラを欠かしたことがない。
今回は、干ダラがたっぷり入ったポルトガル風スクランブルエッグ。あらかじめ炒めたジャガイモも入ってボリュームたっぷり、サラダを添えれば一食になる。
まず干ダラの塩出し(次ページの記事参照)。たっぷりの水に、干ダラの切り身を、皮が上になるように入れ、数回水を変えながら塩出しする。レシピなどには24時間と書いてあったりするけれど、最近の干ダラは乾燥期間が短いので、15時間前後だ。干ダラを大鍋にとり、それがすっかりかぶるように水を入れ、中火にかける。沸騰してから15分たったらとり出し、やや冷ましてから皮と骨を丁寧にとり除き、粗くほぐす。
ジャガイモは、皮をむいて細く切ってからフライドポテトにするのが伝統だけれど、ぼくはさいの目に切って、フライパンにオリーブ油少々をとって、弱火で色がつきはじめる寸前まで火を通すことにしている。
ココット鍋にオリーブ油を大さじ6杯ほどとって弱火にかける。細かくみじんに切った玉ネギとニンニクを加え、玉ネギが透き通ってくるまで炒めたら、干ダラを加えて混ぜ合わせ、相変わらず弱火で5分ほど炒める。次にジャガイモを混ぜ入れて数分炒める。干ダラとジャガイモで鍋の底を覆うようにしておいて、割りほぐしておいた卵を、静かに、底にくっつかないように注ぐ。1分ほどで固まりかけてきたら全体を混ぜ合わせ、塩とコショウで味を調える。きざんだパセリをたっぷり混ぜ入れ、ナツメグ少々をおろし入れ、もう一度混ぜ合わせたら大皿に盛って、グリーンサラダを添えて食卓へ。本格的なポルトガルの風味を味わいたい。(真)