パリ18区にあるスーパー「ラ・ル―ヴ La Louve」は、市民参加型の生協だ。1973年にニューヨークのブルックリン地区にできた生協スーパーをモデルにして、2016年に開店した。
入口で会員証を見せる。会員でなければ買い物はできない。広いスペースに食材から洗剤、おむつまで、あらゆる生活必需品が並んでいる。有機製品もある。500グラム入りのパスタは0.5ユーロの廉価品から、高級食材店にある7ユーロの品まで。選択肢が多く値段の幅も広い。「どんな人でも買いに来られるようにしている」と、ボランティアのプレス担当組合員、オードレ―さんは説明する。同じ品が他の店より15~40%安いという。人件費がかからず、宣伝費がゼロなのがその理由だ。買い付け、経理など管理業務の8人には従業員として給与がでているが、レジ、入荷、清掃などの仕事はすべて7000人の組合員が分担する。組合員の義務は、入会時に説明会に参加し、100ユーロの出資金(国の生活支援金受給者は10ユーロ)を払うこと。そして、4週間ごとに3時間ボランティアで働くこと。仕事内容は毎回変わる。訪問したときは、数人の組合員が冷蔵室でチーズを小分けしていた。2カ月に1度総会を開き、大事なことは組合員が投票で決める「ラ・ルーヴ」は、生協の原形のようなスーパーだ。(羽)