ル・アーヴルの町は、1517年にフランソワ1世(1494-1547)が港を造ったことから始まった。開港500年の今年は、5月27日から11月5日までイベントが目白押しだ。先月、首相に就任したエドゥアール・フィリップ前ル・アーヴル市長は、500年祭のために、ジャン=マルク・エローが市長だった時代に港町ナントを文化都市として再生させたジャン・ブレーズを芸術監督に招いた。町の随所に置かれた現代アートを見て回る仕掛けは、ブレーズが創設したナントの夏の美術イベントを思わせる。
ル・アーヴルはパリから列車で2時間。日帰りも可能だが、一泊して浜辺でくつろいだり、海岸線に沿って歩いたり、海の見える小高い丘に登ってみるのもいい。第二次大戦中、独軍に占領されていたル・アーヴルの西側は連合軍の爆撃で破壊されたが、ヴィル・オート(高い地区)や、浜続きの隣町サン・タドレスには、20世紀初頭、海水浴客のために建てられたおとぎ話に出てくるような家が並んでいる。
戦後、建築家オーギュスト・ペレが造った「コンクリートの町」のイメージとは別の、新たな魅力が発見できるだろう。(羽)