《ロワイヤル》
フランスに組み込まれ、ルイ15世下で花開いた古典主義様式。
宗教戦争に端を発した三十年戦争で、神聖ローマ帝国は事実上消滅した。勝利したフランスは1648年にアルザスとロレーヌ地方を獲得。こうしてメッスはフランスに統合された。18世紀のルイ15世の治世下、町の開発が進む。ベル・イル公爵とジャック=フランソワ・ブロンデルらの指示のもと、ダルム広場やコメディ広場を中心に、優美な古典主義様式が町を彩るように。メッスは古代ローマ時代からジョーモン石が採れ、街の多くの建物に使われた。夕暮れ時にはジョーモン石が黄金の蜂蜜色に輝く。
◆ コメディ広場とオペラ劇場
カテドラルのある旧市街からモーゼル川を越えると、噴水のあるコメディ広場が広がる。ここに優美な面持ちで建つのが、現役の劇場としては国内最古のオペラ劇場だ。1738年に建立が始まり、1752年に開業。文化芸術の発展を重要視したベル・イル公爵が改築に積極的に関わった。ファサード上方に飾られた女神の像はシャルル・ぺトル制作。客席数750席。オペラ、ダンスから現代劇まで多様な演目があるので、滞在中に鑑賞はいかが。
Opéra-Théâtre : 4-5 place de la Comédie 57000 Metz
www.opera.metzmetropole.fr
◆ ダルム広場と建造物
サン・テティエンヌ大聖堂が圧倒的な存在感を見せるダルム広場。1761年にメッス入りした建築家ジャック=フランソワ・ブロンデルが、広場周辺の建築物の整備改修を担当。ダルム広場は18世紀の都市開発の成功例として、パリのヴァンドーム広場やコンコルド広場と並び語られる。大聖堂の向かいは市庁舎。市の紋章が入った壮麗な黒階段を見学されたい。左側には現在メッス観光局である旧警備隊詰所。ゴシック様式の大聖堂と調和を生んでいる。
Place d’Armes 57000 Metz