移住情報のサイト見て考える?
理想のライフスタイルにあわせて移住計画。
“Paris, je te quitte”
浜辺でくつろぐカップル、情緒ある石畳の小径の写真を見ながら、そこへ移住した人たちの体験談を読んでいると、こちらの夢もふくらんでくる。「Paris、je te quitte /さよなら、パリ」には、新天地で生活を始めるための住宅・就職情報、行政手続、地方での就活フェア「ジョブ・デーティング」ほか、新しい移住者たちが集まって情報交換するフォーラム情報もある。
このサイトの特徴は、仕事を最優先にして住む場所を選ぶのではなく、「海辺の7つの町」のページのように自分の趣味、好きな気候、希望するライフスタイルなどの要素も加味しながら、少しずつ自分の理想の町を探せる点。だから彼女のアンケートでは、移住したい都市の順位も、上出データとは違う (1位モンペリエ、2位エクサンプロヴァンス、3位トゥールーズ)。
— サイト立ち上げのきっかけは?
「夫婦ふたりとも地方出身。多くの若者のように勉強と就職のために上京しました。パリを満喫しながらも『一生は暮らさない』という思いが常にありましたが、パリで数年過ごした人たちと話をしていて、実は地方移住を考える人が多いことに気付きました。そんな経験談を2年前にブログに載せたのがきっかけです。今後は就職情報と就活フェアのオーガナイズにも力を入れていくつもりです」。
— 移住希望者のプロフィールは?
「30代の子持ち、家庭を築こうと考えるカップルが多いと思います(24%の移住は出産がきっかけ)。パリは文化施設も夜の外出も選択肢が豊か。交通も便利で、国内でも外国へ行くのも簡単です。ただこれは学生や独身者、カップルには格好の環境でも、家庭を持つと大変。住宅は狭く高い。子どもが屋外で遊ぶ場所が少なく、天気がいい日は公園が混雑。メトロはベビーカーには難関が多く、車だと渋滞が大変で、駐車場は高い」。大会社なら支社への転勤、在宅勤務をしながらパリの仕事を続ける人もいるが、移住先で転職、起業する人も。金融・投資、ウェブ関係の職がどこでも仕事がしやすいのは日本と同じようだ。
◆ 移住生活に求めるもの
オレリー・ド・コーマンさん:
“Paris, je te quitte”の創始者。
スペインと国境を接するピレネー・アトランティック県のポー出身。18歳から20歳までトゥールーズでグランドエコール向けの進学準備学級を経てリヨンのエコール・サントラルに進学しエンジニアに。在学中にパリで2回の研修を受け、卒業後パリで就職。今は夫との間に男児がひとり。2年内には、自分も南仏に移住を考えている。