「 やけにブルジョワ臭かったね。(…)一方に労働者、他方にアーティストというのが、一番満たされた気持ちになるんだ。あなたの名前は? 私はジャック ! 」
15年前、あるダンサーが晩さん会の息苦しさに耐えかね、外へ出て月をながめていると、一人の「老人」が近づいてきて語った言葉。11月12日、そのジャック・ラリットが89歳で亡くなった。共産党員として、80年代初めに保健相、雇用相、1984年から18年間、パリ郊外オーベルヴィリエ市の市長を務めた。ジェラール・フィリップ、アリアンヌ・ムヌーシュキン、マストロヤンニやユペールなどにも、その人柄が愛され続けた。