Porc mijoté aux palourdes
シャトレにあるポルトガル料理の店「Saudade」に出かけると、決まったようにとるのがアレンテージョ風豚肉の煮込み。豚肉とパルルドpalourdes (アサリ)の組み合わせがユニークで、貝ならではのうまみを吸った豚肉に舌鼓!ところが貝料理に豚肉を加えたのは、弾圧を恐れてキリスト教徒に改宗したユダヤ人やアラブ人の信仰を確かめるための、16世紀に生まれた踏み絵的料理だったという。
パルルドはきちんと殻を閉じていて海の香りがするようなものを選びたい。キロ15ユーロ前後だろう。この貝は砂出しの必要はないけれど、殻同士をこすり合わせながら数回水洗いし、パソワールにあけて水気を切っておく。
豚肉は、柔らかなロース肉にし、小さめの角切りにする。これをボウルにとり、肉を柔らかくしてくれるビネガー、白ワイン、おろしたニンニク、パプリカ粉、塩少々を加え、手を使ってよく混ぜ合わせ、そのまま2時間ちょっと漬けておく。コリアンダーの葉は、細かくみじんに切っておく。
とり出した豚肉を、ココット鍋にオリーブ油かラードをたっぷりとって、強火で炒めていき、軽く焼き色がついてきたら小麦粉を振りかけ、とっておいた漬け汁を入れる。沸騰したら弱火にし、ローリエを加え、ふたをしてじっくりと煮ていく。40分ほどたったら、コリアンダーの葉半量を混ぜ入れ、もう15分火を通す。ここで、パルルドを肉に混ぜ入れる。ふたをし、強火で5、6分火を通すと、貝の殻が開いてくるだろう。残りのコリアンダーを振りかけ、熱くしておいた大皿に盛りつけ、食卓へ出してとり分ける。レモンと黒オリーブを添えることになっている。ポルトガルでは、フライドポテトを混ぜ入れるのがふつうだが、ピラフやシンプルなライスを付け合わせにしてもいい。ワインは、ポルトガルの名酒、ダンの赤があったりしたら文句なしだ。(真)
4人分 : 豚のロース700g、パルルド1キロ、ローリエの葉
2枚、コリアンダー1束、小麦粉大さじ1杯、レモン、黒オリーブ適量、オリーブ油、塩。
マリナード:白ワイン1カップ、ビネガー大さじ2杯、ニンニク4片、パプリカ粉大さじ2杯、塩。