『Le 975』日本人ならではの料理でフランス人を楽しませたい。

玉尾大樹さん(42歳)

 「1年で帰るつもりが、気づくと16年目です」。2002年にパリにきた玉尾大樹さん。オーナーシェフを務めるレストランLe 975は、連日昼も夜も大盛況。フランス人の常連客がほとんどで、予約しないと入れない日が続く。  

 渡仏の費用を貯めるため、日本では卸売市場やレストランを掛け持ちして早朝から夜中まで働いた。パリに来て、ギイ・サボワの「ブキニスト」に入店。ディナーで3回転もする多忙な店だったが「食材の回し方など、料理人にとって役立つことを沢山学んだ」という。

その後、南西地方で数年過ごした後パリに戻り、「シャマレ」を経て同系列店のシェフを務め、この店のディレクターだったマチューさんと独立。3年前に共同経営で今の店を立ち上げた。

オープンキッチンの店内。 写真左は共同経営者のマチューさん。

 レストランのある17区のバティニョール地区は住宅街だが、近くに新しい裁判所の建設計画があったため、数年後に栄える可能性を信じて店を開いた。結果、この地区になかった「上質で美味しいものを、気軽に食べられるレストラン」として地元で愛される店に。

17€のメニューがあるランチは、90%がリピーターだという。「常連のお客様に『この店はいつもがっかりさせない。たまにはマズいもの出してみろ!』なんて冗談を言われることもあります(笑)。自分が来たいレストランを作らないと意味がないので、価格は抑えつつ、満足できる料理を提供するよう心がけています」。

 基本はフランス料理だが、味噌や醤油、大根や白菜など、和の食材も積極的に使う。「日本人である自分が知っている和食材の味わいを、フランス人にも知ってもらいたい。好奇心旺盛なお客様が多く、珍しい味に出合うと喜んでくれます」。

まだやりたいことの半分も出来ていない、という玉尾さん。新店舗の計画も進行中だ。(恵)

以下、La formule découverte du 975(39€)のメニュー例。

冷たい大根のブルテ ハドックの燻製とトビコ。

海老のラビオリ、しめじと甲殻類のクリーム、唐辛子とコリアンダー、コブミカン。

鱈のパヴェ 豆乳と胡麻のブイヨン、ザルガイ、白菜。

仔牛のバヴェット イチゴの香りのジュのソース。

フロマージュ・ブランとマンゴーのアイス パッションフルーツのクリーム、トンカ豆。


Le 975

Adresse : 25 rue de Guy-Môquet, 75017 Paris
TEL : 09.5375.6771 ※予約をおすすめします
アクセス : M° Guy-Môquet / Brochant
土日休 12h-14h30/19h30-22h30