「いったい私たちはどこにいるというのだ。まったくの逸脱だ。ヴィシー体制(*)に戻ったかのようだ!」
1月30日国民議会での中道派シャルル・ド・クルソンの発言。国会で審議中の「反破壊分子」法には、大統領、政府が任命する知事が(裁判所の判断なしに)、公共の秩序を侵す可能性があるとみなした人物のデモ参加を拒むことができるという条項があり、それに反対する声が与党内部からも上がっている。
父親がナチス、ヴィシー政権へのレジスタンスに加わり「テロリスト」とみなされていたド・クルソン議員の演説は続く。「目を覚ましたまえ!いつか異なる政府になったときに、気がつくだろう。極右が権力について反対の立場に立ったときに、どうなることか。この条項に投票することは狂気の沙汰だ」。
(*)ヴィシー体制:第2次世界大戦中、1940年にドイツ軍に降伏したフランスでヴィシーに置かれた臨時政府。1944年に崩壊。第1次大戦で活躍したペタン元帥が元首となり、全ての統治権を握ったファシズム政府。ドイツに対して協力的な政府だったため、フランス各地でのユダヤ人狩りを行うなどした。