フランス北西のブルターニュ地方、プレヌフ・ヴァランドレ村では「風の祭」の準備が進められています。人口4千人のこの村が、2年前に始めた新しいお祭。5月26日から28日の間、弓の形をした全長2.5キロの砂浜は、凧やカイトサーフ、ランドセーリング、パラグライダーなどの鮮やかな色でいっぱいになります。
この新しい祭に参加したいと、地元のおばあちゃんたちも手を挙げました。「刺繍や編物ではなく、違うことがやりたい」と、浜辺での写真撮影会を提案、村のアマチュア写真クラブが企画に乗りました。
一見ブルターニュの伝統衣装、よく見れば黒いポリ袋。「ビグデン」とよばれる被りものも、紙を丸めてレースを貼った形跡があり、エプロンも小窓などに使われるカーテン。とはいえ即興の手作りとは思えない出来栄えです。
設定は、海辺のクレープ屋さん。おばあちゃんたちがサーフボードを抱え海へと向かう写真もあります。シューティングでポーズをとるおばあちゃんたちの周りには人だかり。でも観衆よりも、誰よりも楽しんでいるのは、モデル御本人たち。「演じるのが好き!」と、潮風のなか、気持ちよさそうに笑うのでした。写真は「風の祭」期間中、展示されます。(六)
Festi’Val’Vent : www.val-andre.org/